Loading...

TOP > おでかけトピック > トピック情報
EVENT

初めての東京 気ままにひとり歩き【19】

ツイート facebook シェア Google Plus

更新日:2018年11月09日

 高層ビルが林立する一大繁華街の新宿区新宿。周辺には広大な新宿御苑や神社仏閣、能楽堂などがあり、歴史や文化も感じさせる。ちょっと足を延ばせば、東京五輪・パラリンピックに向けて建設が進む新国立競技場も望める。

新宿御苑で古典芸能を堪能(東京都新宿区内藤町11)


芝生の庭園の向こうに高層ビル群が望める新宿御苑=東京都新宿区内藤町

芝生の庭園の向こうに高層ビル群が望める新宿御苑=東京都新宿区内藤町

 東京では、歌舞伎をはじめ能や狂言などの古典芸能に触れる機会が少なくない。10月中旬、新宿御苑(新宿区内藤町11)で薪能を鑑賞した。舞台を囲むかがり火、背後の茶色に色づいたケヤキの大木や時折聞こえる虫の声。ひんやりした秋の風も心地よく、優美な舞台に酔った。
 新宿御苑は、江戸時代の大名内藤氏の下屋敷だったところ。明治に入り皇室の庭園として造成され、戦後に国民公園として公開された。約58ヘクタールの広大な敷地に日本庭園や洋風庭園が配されている(園内は酒類持ち込み禁止、遊具類使用禁止)。
 あらためて昼間に行ってみる。広々とした芝生の庭園では子どもたちが走り回り、散歩する高齢者や親子連れ、カメラを手にした外国人観光客も目立つ。紅葉には少し早かったが、カエデやハナミズキなどが色づき始め、プラタナス並木も葉の色が変わりだしていた。バラ園では真紅や黄色、ピンクのなど鮮やかな花が咲き、季節はずれのサクラも見られた。
 緑の庭園の向こうに高層ビルが立ち並ぶ姿も都心ならでは。とくに、先端が尖った超高層のNTTドコモ代々木ビルは印象的。池ではカモの親子がのんびり泳いでいて、日常を忘れて癒やされる。 
 新宿は、江戸時代に甲州街道の宿場町として内藤氏下屋敷前に開設された「内藤新宿」が始まりとされ、新宿御苑の近くには内藤氏ゆかりの神社もある。内藤家の墓所がある「太宗寺」。全身真っ赤の5メートル強もある閻魔(えんま)像と、三途の川を渡るときみ衣服をはぐ「脱衣婆(だつえば)像」が有名だ。江戸の昔から「内藤新宿のお閻魔さん」として庶民の信仰を集めたという。入り口に脇には、江戸六地蔵のひとつという大きな「銅像地蔵菩薩坐像」が立つ。
 太宗寺から新宿通りに出て西に向かい、伊勢丹新宿本店前の新宿三丁目交差点を北へ。靖国通り沿いのビルの谷間にちょうちん飾りが見える。江戸時代から「内藤新宿」の繁栄とともに参拝者でにぎわった「花園神社」である。毎年11月は開運招福や商売繁昌を願う酉の市「大酉祭」が開かれ、約80万人の人出でにぎわう。ちょうどそのシーズンで、境内はちょうちんや食べ物の屋台などで彩られ、祭りムードが盛り上がっていた。
 花園神社は芸能の神様として知られる。江戸の大火で焼失した社殿の再建のために境内に劇場を設けたのがきっかけで、高度成長期には唐十郎がテント芝居を行ったこともある。境内にある芸能浅間神社には芸能人が参拝に訪れ、周囲の銘板には、唐十郎をはじめ八代亜紀、なべおさみら芸能人の名前が並んでいた。祠の脇には藤圭子の「圭子の夢を夜ひらく」の歌詞を刻んだ碑が立つ。
 花園神社のすぐ西側は、戦後の闇市から発展した飲食街、新宿ゴールデン街がある。狭い路地に木造の建物がひしめき、夜になると色とりどりのネオンが妖しげな雰囲気を醸し出している。


外観を現した新国立競技場


建設中の新国立競技場。ドーム屋根の骨組みなど巨大な外観が姿を現わす=東京都新宿区霞ヶ丘町

建設中の新国立競技場。ドーム屋根の骨組みなど巨大な外観が姿を現わす=東京都新宿区霞ヶ丘町

 新宿周辺には、東京に来て初めて行った古典芸能の殿堂「国立能楽堂」(渋谷区千駄ヶ谷4-18)もある。新宿御苑の千駄ヶ谷門を出て、しばらく歩くと、木戸の門構えの和風の建物が立つ。庭の中央には、能舞台の背景につきものの立派な松が3本植わっている。ホームページによれば、能楽の保存振興のために1983年に開場し、今年35周年。施設内は、背景に松が描かれた舞台と約630の客席が並び、こじんまりとして舞台が近く感じられる。能は厳粛で解釈が難しい印象だが、狂言はせりふや笑いがあって親しみやすい。
 つい先日も友人と一緒に狂言を鑑賞した。客席には秋らしい和服姿の女性が多く、華やいだ雰囲気。人間国宝の野村万作さんと長男の野村萬斎さん、その長男の野村裕基さんの親子3代がそれぞれの味わいをだした芸を見せ、初めて観たという友人も「分かりやすくて面白かった」と大満足だった。  
 さて、国立能楽堂があるJR千駄ヶ谷駅から東に行くと、ビル街から風景が一変する。東京体育館が立ち、その先に建設中の新国立競技場が見えてくる。その先には明治神宮外苑があり、緑地が広がる。
 新国立競技場は2020年の東京五輪・パラリンピックの会場として建てられ、来年11月の完成予定。敷地面積約11万3000平方メートル、延べ床面積は約19万4000平方メートル、地上5階、地下2階建てという巨大施設。建築家隈研吾氏の設計で、ドームの大屋根には国産木材と鉄骨を組み合わせた部材を使い、緑が多い周辺環境になじむように植物もふんだんに植えられる。最上階には1周約850メートルの散歩道が設けられるという。現地では、ドーム屋根の骨組みが姿を現し、オリンピックが間近に迫っていることを実感する。
 次回は色づく明治神宮外苑のイチョウ並木を抜け、青山、表参道界隈を歩く。
(東京支社・村上早百合)


【地図】今回歩いたのは…


神戸新聞NEXT

神戸新聞NEXT





明日どこ行く?

SEARCH
話題のキーワード
ページトップへ