Loading...

TOP > おでかけトピック > トピック情報
EVENT

1人でジュッ 立ち食い焼き肉、神戸・三宮に続々

ツイート facebook シェア Google Plus

更新日:2017年08月21日

  • 仕事帰りに焼き肉を楽しむサラリーマン。自分のペースで食べられるのも魅力という=神戸市中央区中山手通1

  • 神戸新聞NEXT

 時間をかけず低価格で楽しめる「立ち食い焼き肉」の店が増えている。1枚単位で肉を提供するなど「お一人様」向けメニューも充実。立食スタイルならではの高回転率で売り上げ効率を高めている。焼き肉といえば、大人数でにぎやかに網を囲むイメージが強かったが、仕事帰りのサラリーマンらが一人静かに肉を焼く光景が浸透しつつある。(勝浦美香)
 神戸・三宮に昨年6月オープンした「立食焼肉 一楽/しんしん」。1階カウンターには網が等間隔に並ぶ。複数でも利用できるが、大半は1人客という。頼めば椅子も用意される。
 「仕事後に、軽く飲んで帰るような感覚で立ち寄ってくれる人が多い」と店長の長久直(なおき)さん(31)。メニューにはロースなどの定番部位のほか、「カメノコウ(ももの端)」「シンシン(ももの中心)」など希少部位も並ぶ。ホルモンが1枚80円、タン100円、特選ハラミ350円などで、「量の調節がきくので女性客も多い」(長久さん)。
 メインの客層は仕事帰りのサラリーマンで、平日午後7時半にはスーツ姿の客でほぼ満席になる。平均滞在時間は30~40分。男性会社員(23)は「自分のペースで好きな量を食べられるので週に何度も来ることもある」と話す。
 三宮・元町地区には昨年以降、立食形式の焼き肉店が相次いで出店。昨年5月にオープンした「さすらいのカンテキ」の井上康志店長(26)は「神戸には神戸牛というブランド牛がある。神戸で人気になれば他でもやっていけると思い、1号店を開いた」と話す。
 人気の火付け役となったのは関東を中心に10店を展開する「立喰(ぐ)い焼肉 治郎丸」。2014年に西武新宿本店を開店し、A4、A5ランクと呼ばれる上質な和牛肉に1枚30~300円の値段をつけて販売し、少人数の家族連れや外国人にも支持されている。同店を経営する中村隼人さん(41)は「立食型にしたことで回転率が上がり、結果的に良質な肉をより低価格で提供できている」と話す。
 同じく立食スタイルで話題になった「いきなり!ステーキ」(本社・東京)は昨年秋に「神戸三宮生田ロード店」を開店した。同店を運営するペッパーフードサービスの広報、小林未佳さん(29)は「厚切り肉を手頃な価格で提供することで、これまでステーキを食べなかった層が来店するようになった」と話す。
 共通するのは「早さ」「安さ」に加え、立ち食いならではの入りやすさ。生活様式が多様化するなか、新しい外食の形が定着しつつあるのかもしれない。
【外食で増える牛肉消費】
 「立ち食い」や「1枚売り」など多様な形態の焼き肉店の登場で、外食による牛肉の消費も伸びている。
 農林水産省の統計データによると、国内の牛肉消費量は増加傾向を続けるが、内訳は大きく変化している。1990年は家庭向けの「家計消費」が「業務用、外食」を上回っていたが、その後逆転し、最新の2015年分では「業務用、外食」が64%となり、「家計消費」の2倍を占める。豚肉や鶏肉の「業務用、外食」は横ばいか減少しており、牛肉の伸び方が顕著だ。
 東京農業大の野口敬夫准教授(農業経済学)は「外食の伸びは、赤身肉や熟成肉などの『肉食ブーム』の影響では」と話す。健康志向の高まりを受け赤身肉が人気を集め、「熟成」によって肉のうま味を引き出す加工法も注目される。「霜降り肉を好む傾向が強かったが、最近は脂肪の少ない赤身肉も注目され、熊本や高知などでは(赤身の多い)褐毛(あかげ)和種の育成に力を入れている」
 神戸松蔭女子学院大教授で、雑誌「ミーツ・リージョナル」の元編集長、江弘毅さん(58)は「消費者側に知識が増えたことが影響している」と分析。「部位ごとによりおいしく食べようとする習慣が強くなり、調理法を売りにした外食店が増えたのでは」とみる。
 江さんによると、港町としていち早く肉食になじんだ神戸は、もともと他県よりも牛肉を食べることが多く、肉料理の流行にも順応しやすい土地だという。「今後はもっと細分化、多様化した店が人気になることもあり得る」とする。

明日どこ行く?

SEARCH
話題のキーワード
ページトップへ