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響き合う自然と現代アート「瀬戸内国際芸術祭」

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更新日:2019年05月17日

  • 海辺に掲げられた色鮮やかな野外アート。漁網が素材で、風景に溶け込む=香川・沙弥島

  • 棚田の広がる集落の谷間に、竹で組まれた巨大な作品「小豆島の恋」=香川・小豆島

  • ユニークな卓球台が並ぶ元旅館。カラフルな角材でできた台は、ピンポン玉でさまざまな音が鳴る=香川・女木島

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 瀬戸内の島々や港を舞台にした3年に1度の現代アートの祭典「瀬戸内国際芸術祭(瀬戸芸)」が、香川・岡山両県の各地で開かれている。過疎の進む離島の活性化などを目的に2010年に始まり、4回目。テーマは「海の復権」。国内や欧米、アジアの美術家らによるオブジェやインスタレーション(空間芸術)約210点が、海辺や廃校、古民家などを彩る。(堀井正純)
 「瀬戸内」は、旅行誌「ナショナル・ジオグラフィック・トラベラー」(英国版)で2019年に行くべき国・地域に選ばれるなど、近年、海外からも注目を集めるエリアだ。芸術祭は春・夏・秋の3会期に分けて開催。船で島々を巡り、点在する作品を訪ね歩く。旅とアート、地元の自然や風景、歴史を満喫でき、若い女性らも引きつける。
 過去3回で出品された旧作も並び、全作品を見るのは、一度の旅では難しい。安藤忠雄設計の「地中美術館」や「李禹煥(リウファン)美術館」があり、空き家を活用した「家プロジェクト」を展開する直島は、瀬戸内のアートの中心地だが、常設施設が多く、芸術祭の時期を外した方がのんびり楽しめるかもしれない。個人的には、高松を拠点に1泊2日か、2泊3日で、女木(めぎ)島・男木(おぎ)島と小豆島、豊島(てしま)を巡るコースをお薦めする。
■小豆島
 台湾の美術家王文志(ワンウェンチー)氏が、小豆島の山間エリアで手掛けた「小豆島の恋」は、約4千本もの竹で組み上げた巨大なドーム型作品。棚田で有名な集落の谷筋に設けられ、山々の連なりや、棚田が描く曲線とドームのカーブが響き合う。内部に入れば、竹の編み目から差し込む木漏れ日のような光やそよ風が心地よい。寝そべってくつろげ、思わず昼寝したくなる。
 海に近い集落の古民家を、私設美術館として再生させた「ジョルジュ・ギャラリー」も素晴らしい。フランスの世界的美術家ジョルジュ・ルース氏の作品を展示。廃虚などの空間そのものにペイントし、それを撮影した写真作品で有名な作家だが、今回は写真とともに、モチーフとなった空間が残されている。あるポイントから眺めると、和室の中に巨大な黄金の「円」が浮かび上がる。
■女木島・男木島
 「鬼ケ島伝説」が残る女木島で必見は、四国在住の人気アーティスト大竹伸朗(しんろう)氏が、休校中の小学校で展開する作品「女根/めこん」。蛍光色で彩られた校庭に熱帯樹の生命力が満ちる。
 海辺にある元は旅館だった建物には新作がずらり。作家らが美容院やカフェ、コインランドリー、遊技場など思い思いの店を出現させた。回転式の洗濯機が動いているかと思いきや、実は洗濯物の映像だったり、ピンポン玉が当たると、木琴のように音を奏でる卓球台があったりと意表を突かれる。
 一方、男木島はアートだけでなく、斜面に立ち並ぶ民家によってできた迷路のような路地も魅力。島の野良猫たちも人なつこく癒やされる。
■豊島・大島
 豊島で最も魅力あるのは、常設の「豊島美術館」。建物そのものがアートで、何もないような簡素な空間の床面に、泉のように水が湧き出し、ころころと玉となって流れ、集まり、消えてゆく。神道的ともいえる厳かささえ漂う「場」で、生命の神秘やはかなさも感じさせる。ただ、人気施設で、休日は予約なしでは入場が難しいかもしれない。
 ハンセン病の療養所がある大島も今回新作が多い。「負の記憶」について知り考える機会となるだろう。
【瀬戸内国際芸術祭2019】会期は春が5月26日まで、夏が7月19日~8月25日、秋が9月28日~11月4日。香川県の直島、豊島、小豆島、高松港周辺や岡山県の犬島、宇野港周辺などで開催。沙弥(しゃみ)島は春のみ、本島・高見島・粟島・伊吹島は秋のみ会場に。約100万人の来場が見込まれる。鑑賞には個別鑑賞券かパスポート(3シーズン用で一般4800円)が必要。中学生以下無料。芸術祭総合案内所TEL087・813・2244

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