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老舗「海の家」2軒が今夏限りで閉店 神戸・須磨海水浴場

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更新日:2019年07月13日

  • 「最後の夏」を盛り上げようと誓う河口忍さん(左)と幸内政年さん=神戸市須磨区若宮町1

 神戸・須磨海水浴場で長年親しまれてきた「海の家」2軒が、今夏限りで営業を終える。それぞれ約70年と30年の歴史を持つ老舗だが、借地料の値上がりなどを受けて来年以降の継続を断念した。最後となるシーズン。常連客らから惜しむ声が上がっている。(吉田敦史)
 東西約1・8キロにわたって砂浜が続く須磨海水浴場は今月11日に海開きを迎え、18軒の海の家が並ぶ。今夏限りで営業を終える2軒は、砂浜の東端寄りで隣り合う「カッパ天国」と「ローリング・トム」。
 約70年続くカッパ天国は、漁師の休憩所として始まった海の家としては同海岸唯一の生き残り。昔ながらの座敷スタイルで憩いの場を提供してきた。祖父、父から代を継いで3代目の幸内政年さん(43)は、神戸の漁師が捕ったシラスを使った「釜揚げちりめん丼」や、地元産のイチゴやモモを凍らせて削ったかき氷など、品書きに地元愛を込める。
 ローリング・トムは1987年開業。おかみの河口忍さん(60)は、25年前に亡くなった夫、恵一さんから「海の家を建てられなければ屋台でもいい。砂地にはしてくれるな」と託され、店を守ってきた。
 そんな2軒を取り巻く状況が大きく変わったのが2015年。市は「須磨海岸健全化」の一環として、慣習で決まってきた出店事業者を、20年からすべて公募に切り替える方針を打ち出した。また、市条例の改正により、1平方メートルあたり月400円(海岸西部では同300円)だった従来の使用料は17年から同1200円になった。ただ段階的値上げが導入され、17年は据え置き、18年から同700円に。さらに2軒は午後7~9時の夜間も営業するため、今年から同1200円となった。
 カッパ天国は17年まで月額約17万円だった借地料が19年は約50万円に、ローリング・トムは約12万円から約35万円に跳ね上がった。
 昨年、インターネットで資金を募って開店にこぎつけた河口さんは「2カ月で手元に30万円残れば頑張った方だったのに、もう続けられない」と悲鳴を上げる。60歳の節目もあり、閉店を決めた。
 市は事業者の減価償却を考慮し、今年まで5年間は従来の優先出店枠を認めてきたが、来年以降の公募についての詳細は未定だ。幸内さんは「店を出せるかどうかの見通しすら立たず、生活を懸けられない」と営業終了を決めた。「常連さんや、実家のように帰ってきてくれるこれまでのスタッフに申し訳ない」と無念さをにじませる。
 関西随一の海水浴場を支えてきた2軒の老舗。その決断に常連客らは寂しさを隠せない。「小さいときから寄せてもらい、子どもたちが小さい頃も連れて行きました」「来年からどこへ行けばいいのか」などの声が寄せられている。

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