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「オーロラ輝子」河合美智子さん豊岡に移住 28日、夏祭りでステージも

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更新日:2019年07月20日

  • 地元住民と話す河合美智子さん(右)=豊岡市城崎町湯島

  • 地元住民と話す河合美智子さん(右)。「但馬にはお気に入りの場所がたくさん」=豊岡市城崎町湯島

  • 河合美智子さん=豊岡市城崎町湯島

  • 6月に大阪で上演された舞台「ナイル殺人事件」の河合美智子さん(手前右)=劇団往来提供

  • 2018年10月公演の歌劇「ジャンヌダルク」の河合美智子さん(劇団往来提供)

 NHKの連続テレビ小説「ふたりっ子」(1996~97年)で、通天閣を頭にのせた演歌歌手「オーロラ輝子」役を演じた女優河合美智子さん(51)が昨秋から兵庫県豊岡市に移住し、活動を続けている。3年前に脳出血で倒れ、右半身にまひが残ったが「病気を受け入れると世界が広がった」と話し、自然豊かな土地でエネルギーを受けながら舞台出演などの活動を続けている。(石川 翠)
 河合さんは2016年8月、東京都内の稽古場で、立ち上がろうとすると右足に力が入らず、倒れ込んだ。「しびれたのかな」と思っていると、異変に気付いたプロデューサーが「右足首の向きが変だ。すぐに救急車を呼んだほうがいい」と声を上げた。
 駆け付けた救急隊員との会話が途中から「あー」「うー」と言葉にならなくなり、右手から肩へと固まっていく。何が起こったのか分からないまま、集中治療室(ICU)に運び込まれた。血圧を下げる薬の投与で手術はせずにすんだが、5カ月間入院した。
 入院中、ショックや悲しいという感情はなく、不思議な感覚が芽生えた。寝返りを打とうと動いて服がはだけた時、恥ずかしいという気持ちが一瞬よぎったが「宇宙からみたらちっぽけなこと。生きてるだけで十分」と穏やかな気持ちになったという。
 夫の俳優峯村純一さん(51)の支えも大きかった。毎晩面会に来て、その日あったささいなことを面白おかしく話して笑わせてくれた。峯村さんの好きな喜劇王チャプリンの名言は「人生はクローズアップで見れば悲劇だが、ロングショットで見れば喜劇になる」。河合さんは「カメラの位置を変えれば物事は全然違って見える。いい方向に誘導してくれた」と感謝する。
 リハビリを続け、ある程度は手足が動くようになったが、右足は少し引きずるような歩き方になり、日によっては右手で物がつかめない。素早い動きも難しく、女優としての道は大きく変わることを自覚した。
 病気のことは退院まで公表していなかった。入院中にテレビの歌番組への出演依頼があり、生中継で「オーロラ輝子」として千人の観客の前で歌うことに。肺活量を戻すため、毎日外出届を出してカラオケボックスで練習した。本番中に右足首が曲がって少しよろけたが「頭の上の通天閣がよっぽど重かったのだろうと思われたみたい」と笑う。
 倒れる前年、イベント出演で出石永楽館(同市出石町柳)を訪れたことがあり、歴史ある建物の中を澄んだ空気が抜けていく感じに心引かれたという。「出会う人たちはほどよい距離感で親切にしてくれ、居心地がとてもいい。仕事柄いろんな土地を訪れたけど、初めて住みたいと思った」
 劇作家平田オリザさんが劇団ごと移住し、専門職大学の開校が予定されるなど、同市が「演劇のまち」を掲げていることも知り、移住を決断。症状が落ち着いた18年10月に引っ越した。舞台公演中は大阪や東京に数週間滞在するが「帰ってくると、とても落ち着く。緑色にはこんなに種類があるのかと何度見ても感動する」と話す。
 同じ経験をした人への講演の機会も増えた。「他人や過去の自分と比べると悲しくなってしまうので、『乗り越える』ではなく『受け入れる』ことを伝えている」という。
 自身も病気を通して世界が広がったという。テレビや映画は撮影が短時間勝負なので難しいが、舞台は準備期間があり、工夫次第。「動きが制限される分、観客からどのように見えるかを意識するようになり、演出家のような視点が強くなった。もともと演じるより見るほうが好きだったので、今後は演出の仕事もしてみたい」と目標を語った。
 28日にはJR江原駅(同市日高町)周辺で開かれる「日高夏まつり」のステージで歌を披露する予定。
【かわい・みちこ】1968年生まれ、神奈川県出身。14歳の時、映画「ションベン・ライダー」(相米慎二監督)のヒロイン役でデビュー。「ふたりっ子」で歌った「夫婦(めおと)みち」は大ヒットし、NHK紅白歌合戦にも出場した。舞台や映画、ドラマなどで演技派女優として活躍。9月中旬から全国公開される映画「みとりし」(白羽弥仁監督)にも峯村さんとともに出演している。

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