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神戸市博の名品、台湾で文化交流に貢献 南蛮屏風や蒔絵155点

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更新日:2019年08月24日

  • オランダの油彩画が原画と考えられる江戸後期の絵師谷文晁による掛け軸(右)と、同様の花壺や鳥をモチーフにしたオランダの陶板(中央)=故宮南院

  • 故宮南院ロビーで握手する久利計一会長(左)と故宮南院の彭子程(ほうしてい)所長=故宮南院

 「南蛮美術」で名高い神戸市立博物館(同市中央区)の名品を中心に構成する「交融之美-神戸市立博物館精品展」が、台湾南部・嘉義(かぎ)県太保市の国立故宮博物院南部院区(故宮南院)で開かれている(9月8日まで)。神戸が誇る文化財が、文化交流にどのように貢献しているのか。確かめるため、地元神戸の「KOBE三宮・ひと街創り協議会」(久利計一会長)と共に故宮南院を訪ねた。(堀井正純)
 故宮南院は、台北市の国立故宮博物院の分館として、2015年末に開館。約70ヘクタールの広大な敷地を誇り、人工池のほとりに現代的な建物が建つ。
 台北故宮が「中華」の文物中心に展示するのに対し、故宮南院のテーマは「アジア」。「中国や日本の茶文化、アジア各地の染織文化を比べた展示なども行っている」と同院のアシスタントキュレーター鄭涵云(ていはんゆん)さんは説明する。台湾中南部の文化芸術振興の役割も担っているという。
 「交融之美」展には、神戸市博の収蔵品155点を出品。16世紀後半からの南蛮交易、17世紀からのオランダ、中国との交易の様子や海外文化の流入、それに触発された日本美術の多様化を、さまざまな絵画や工芸品を通じ紹介している。
 出品作の狩野内膳(かのうないぜん)筆「南蛮屏風(びょうぶ)」(重要文化財、展示は既に終了)は南蛮船の来航の情景を題材にした近世初期の風俗画。異国情緒あふれる「南蛮屏風」は当時数多く描かれ、国内外に現存するが、「内膳筆のこの作品は特に優れている」と鄭さんは出展を喜ぶ。現地では、画中の南蛮船のイメージも取り入れた巨大オブジェが館内ロビーに飾られている。
 日本でも人気が高い「三国志」の英雄・関羽をモチーフにした江戸時代の絵画と、故宮が所蔵する清時代の焼き物などを並べた一画も。「台湾では関羽は神として祭られている」と鄭さん。関羽を祭る「関帝廟(かんていびょう)」は台湾や中国だけでなく神戸や横浜にもある。
 観覧した地元・嘉義の女性は、江戸時代の「螺鈿(らでん)書箱」や「蒔絵楼閣(まきえろうかく)山水文箪笥(たんす)」など漆芸品に引かれたといい、「きらきらした螺鈿が美しい」と魅力を語った。
 「当時の日本の漆器はヨーロッパへも輸出された」と鄭さん。この「蒔絵楼閣山水文箪笥」は、オランダ商館から京の工房へ注文したもので、豪華な脚部は、18世紀オランダで制作されたと推測されている。和洋の美意識が融合した華麗な逸品。まさに「交融の美」の一つだろう。

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