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大豪邸に寄生、格差あぶりだす 必見の1本「パラサイト 半地下の家族」

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更新日:2020年01月18日

  • 「パラサイト 半地下の家族」の一場面((C)2019 CJ ENM CORPORATION,BARUNSON E&A ALL RIGHTS RESERVED)

 昨年のカンヌ国際映画祭では満場一致で最高のパルムドール、年明けには第77回ゴールデングローブ賞外国語映画賞に輝いた。ともに韓国映画初で、アカデミー賞でも作品賞など6部門にノミネートされた本作。気が早いかもしれないが、今年のナンバーワンといっても過言ではない傑作だ。
 キム・ギテク(ソン・ガンホ)の一家4人は内職で生計を立て、狭苦しい半地下の家で暮らす。長男ギウ(チェ・ウシク)がひょんなことからIT企業社長の娘の家庭教師をすることに。妹のギジョンも美術専門の家庭教師になりすます。信頼を得た2人の仕掛けで父は運転手、母は家政婦に雇われ、家族全員が社長の大豪邸に入り込む。
 「ある人が他人の家庭に侵入したらどうなるか」。ポン・ジュノ監督の着想から物語は具体化したという。社長宅にパラサイト(寄生)し、やりたい放題のキム一家の姿がユーモラスに描かれる。半ば犯罪だが、貧富の格差が広がる社会で暮らす現代人には爽快に感じられる。
 半地下なので道路に散布される消毒剤が窓から入ってくるキムの家。便器が一番高い場所に鎮座するのは、下水道に排水が流れるようにするため。低地のキム家から坂や階段を上り切った、高台の高級住宅街に社長の白く美しい邸宅はある。両者の社会的地位が視覚化される。
 富める者から貧しい者へ富が滴り落ちる「トリクルダウン」という経済理論が、大雨により高台は無傷でも低地の家々は水浸しという皮肉に置き換えられる。
 ヨーロッパの貴族社会で主従が入れ替わる喜劇が流行したが、ここではなりすまし喜劇が救いのないカオスへ転じていく。よく練られた脚本、そして巧みに設計された二つの家を生かし、現代社会が直面する問題をあぶりだす。超一級のエンターテインメントであり、必見の1本だ。(片岡達美)
◇2時間12分。シネ・リーブル神戸などで公開中。

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