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大学ミュージアムめぐり【12】大阪市立大理学部付属植物園(大阪府交野市)

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更新日:2020年07月10日

  • 散策コースとして愛されている大阪市立大理学部付属植物園=大阪府交野市

  • メキシコの植物「アオノリュウゼツラン」の生態を解説する西元靖志さん=大阪府交野市

  • 一部の樹木には、調査や研究の目印としてビニールテープが巻かれている=大阪府交野市

  • 神戸新聞NEXT

 常緑樹林は四季を通じて緑の葉が茂り、落葉樹林は冬に葉を落とす。一口に「樹林」といっても、気候や土壌によって、もっと細かい分類があるという。生駒山地の北西部に位置する大阪市立大理学部付属植物園は、日本の代表的な11種類の樹林を屋外に復元した、いわば「森の植物園」だ。
 甲子園球場6個分に当たる25ヘクタールの敷地に5千種類、3万本の植物が栽培され、年間4万~5万人が訪れる。野鳥のさえずりを楽しみながら一周するのに歩いて1~2時間。常緑樹のエリアから落葉樹のエリアに移ったとたん、散策路に落ち葉が積もり、足元がふかふかした感触になる。ほのかに漂う木の香りもエリアごとに異なり、五感で自然を満喫できる。
 技能部門統括主任の西元靖志さん(56)のおすすめの一つは「生きた化石」として知られる落葉針葉樹のメタセコイアと、常緑針葉樹のセコイアが隣同士で並んでいるエリアだ。2種類の木の見た目はそっくりだが、松ぼっくりのような実の構造や葉の付きかたは、よく観察すれば異なり、観察するのが楽しい。
 水生植物のスイレンには温帯性と熱帯性の種類があり、花の色や葉のふちの形で区別できる。巨大なアロエのような姿をしたメキシコの植物「アオノリュウゼツラン」は、蒸留酒「テキーラ」の原料の仲間-。博学に驚かされながら西元さんに案内される。職員によるガイドが人気を集めるが、新型コロナウイルスの影響で8月までは中止が決まり、再開時期は未定という。
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 戦前は旧満州国への移民「満蒙開拓団」の訓練施設だった場所が、植物園として生まれ変わったのが1950年。大学が所有し、一般公開している植物園は東京、北海道などにあるが、西日本では唯一だ。植物学の研究や授業に活用されるほか、近年は絶滅危惧植物の保存にも取り組み、2018年には、大学として日本初の「認定希少種保全植物園」に選ばれている。
 植物園なのに人工的な印象を受けないのは、開放的な雰囲気に加え、開設から70年がたち、植栽された樹木が本来の自然の中に溶け込んでいるからだろう。サクラの開花や紅葉に合わせて訪れる人が多いが、ほぼ毎日散策している人もいるといい「年齢を問わず、生涯学習の場として訪れてほしい」と西元さんは話す。
 長い歴史の中で植物が進化を遂げてきたように、社会の中で植物園が果たす役割も少しずつ変化していることに感慨を覚えながら、森林浴を楽しんだ。(井原尚基)
【メモ】大阪府交野(かたの)市私市(きさいち)2000。9時半~16時半(入園は16時まで)。月曜休園(休日の場合は開園)。京阪交野線私市駅から徒歩約5分。大人350円、中学生以下無料。駐車場あり(500円)。持ち込んだ弁当などを園内で飲食可。最新の開花情報をホームページに掲載しているほか、見ごろの花リストを訪れた人に配布している。職員によるガイド(休止中)は個人向け(3~6月、9~11月の水、土、日曜、祝日)と団体向け(火~金曜、5人以上、要事前申し込み)がある。TEL072・891・2059

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