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コロナ禍の社会投影する作品も「六甲ミーツ・アート」過去最多44組参加

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更新日:2020年09月18日

  • 大野光一さんの野外作品「あなたを見つける、かなたが見つめる」=神戸市灘区六甲山町(撮影・秋山亮太)

  • クレモモの「サバイバー・グランマ」=神戸市灘区六甲山町(撮影・秋山亮太)

  • 森の精霊を思わせる、中村萌さんの不思議な木彫りの像=神戸市灘区六甲山町(撮影・秋山亮太)

  • マッコウクジラがモチーフの内田望作品=神戸市灘区六甲山町(撮影・秋山亮太)

 六甲高山植物園(神戸市灘区)など六甲山上の12会場で開かれている「六甲ミーツ・アート 芸術散歩」。新型コロナの影響により来年への延期を決める芸術祭が国内外で相次ぐ中、神戸の秋を彩る恒例の催しは野外アート中心でもあり、開催にこぎつけた。さまざまなオブジェや立体アートが造形美を競う中、ウイルスや災厄と人間、社会との関係を問い掛ける作品も点在する。(堀井正純)
 公募と招待による参加作家は過去最多の44組。世界中で美術家たちの発表の場が失われているが、「工夫して、何とか実現したかった。こうした状況で、芸術美術に触れられる場をつくることは社会的意義があるはず」と総合ディレクターの高見沢清隆さんは、ウイルスと共存する形での未来を模索する。
 2010年に始まり、今年で11回目。2年や3年に1度の芸術祭が多い中、レベルを保ち、毎年続けているのは驚きに値する。祭典らしく、過去の展示作は、カラフルで視覚的に面白いもの、ユーモラスでかわいいデザインのものが多い印象だったが、今年は時代を反映した作品も目立つ。
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 カナダ人と日本人の2人組「クレモモ」が、六甲オルゴールミュージアムの森に据えた立体アート「サバイバー・グランマ」は、奇妙な巨獣にまたがったおばあさんがモチーフ。軍服に身を包み、暗視ゴーグルや防毒マスクを装着した女戦士はリアルだが、場違いで珍妙な気もする。ヒップホップミュージックでも聴いているのか、肩に大きなラジカセを抱える。巨獣は明らかに異世界の生物。SF的な設定で、核戦争や疫病など、災厄後の世界を生き延びようと前を向く女性のたくましさ、力強さを表現する。
 展望台「六甲枝垂(しだ)れ」近くの空き地には、ゆがみ、ねじれた人間の顔がずらり。奇怪な顔の数々は、英国の画家フランシス・ベーコンの絵をほうふつとさせる。画家大野光一さんが、自らの油彩画の一部を拡大し、防水性のシートにプリント。現代社会で、人は素顔をさらすことを避け、さまざまな「仮面」をかぶり暮らすことが多いが、大野さんにとって、人の「素顔」は恐ろしく、また美しいという。「世界中の人々がマスクで顔を覆わざるを得ない今は、顔について考えることが必然性を持つ時代」と高見沢さんは評する。
 神戸出身の上坂直さんは、ホテルの一室などを再現したミニチュアアートのベッドの上に、さりげなく極小のマスクを配した。
 芸術性や完成度の高さで目を見張るのは、六甲山サイレンスリゾート(旧六甲山ホテル)に飾られた2作家の絵や彫刻だ。
 中村萌さんは、木彫と絵画で、童話の世界から迷い出てきたような森の妖精や魔物風の生き物を創造。小悪魔的で愛らしい風貌は、世界的な人気画家奈良美智(よしとも)さんの絵にも通じるところがある。
 内田望さんは、機械と合体した奇妙な動物たちを造形。金属をたたき、伸ばす「鍛金(たんきん)」技法を中心に、オートバイと一体化した雄牛、ラッパを担いだニワトリ、飛行機の翼やプロペラを持つフラミンゴなど、現実にはあり得ない生き物の姿を生き生きと表現している。
 ほかにも六甲の自然や歴史、抜群の眺望などに触発された作品の数々が、目を楽しませてくれる。
 11月23日まで。9月24日は休み。中学生以上2500円、4歳~小学生千円。インフォメーションTEL078・891・0048

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