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大学ミュージアムめぐり【18】仏教大宗教文化ミュージアム(京都市右京区)

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更新日:2021年01月15日

  • 長さ約11メートルの登り窯が遺跡から移され、屋外で展示している=京都市右京区、仏教大宗教文化ミュージアム

  • 南丹市の遺跡から出土した5世紀ごろの甲冑=京都市右京区、仏教大宗教文化ミュージアム

  • 小型の勾玉が発掘された状態のまま保存されている=京都市右京区、仏教大宗教文化ミュージアム

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 赤くさびついた甲冑(かっちゅう)や長さ11メートルの窯跡が存在感を放っている。いずれも仏教大宗教文化ミュージアム(京都市右京区)が誇る収蔵品で、同大園部キャンパス(京都府南丹市)の造成に伴う発掘調査で出土した。同キャンパスは5~8世紀ごろ、当時の権力者が拠点にした場所と考えられている。かつてトンネル式だったという窯は、発見された状態で同館へ移設された。
 仏教大は浄土宗と関わりが深く、企画展や特別展では仏像や大学史をテーマとすることが多い。一方で常設展は同館コレクションの幅広い周知に重きを置く。さらに考古学などを志す学生を意識し、壺(つぼ)や硯(すずり)などの出土品の説明にとどまらず、発掘から展示に至る過程の紹介を重視する。
 例えば、勾玉(まがたま)の一部は古墳から見つかったままの状態で土ごと並べられ、甲冑については、出土した際の状態や、サビの進行を抑えるため保存処理が施されている様子を、それぞれ写真で確かめることができる。土器の文様を確認しやすくするため、墨を使って紙に写し取る拓本を活用し、拓本技術に関しても解説している。
 仏教美術を専門とする学芸員の熊谷貴史さん(43)は、展示資料のうち勾玉の形に心引かれる。その形は「太陽と月が重なり合った形」「動物の牙を模した」など諸説あるが、「当時の人々が、どのような思いでこの形を選んだのかを想像するのが楽しい」と話す。
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 アジア宗教文化情報研究所を母体として、2008年に開館した同館。常設展示は「祈りと祀(まつ)り、暮らし」と題し、考古や民俗などのテーマで期間ごとに入れ替える。
 現在は、同館が位置する京都市北西部の江戸期から昭和にかけて発行された地図や絵はがきなどを紹介。明治時代まで京都市内で両替商や金融業を営んだ商人に関する資料も並ぶ。
 ひもが通されて束になった古銭や、重さを量るために使われた分銅などに混じって、端午の節句で飾られたとみられる甲冑も並ぶ。時期によっては古墳時代のよろいかぶとと並べ、見比べてもらうこともある。
 また、近隣の小学生が見学する際は、体験学習として色が付いたプラスチック粘土で勾玉作りもする。展示室には、濃淡が異なる緑色やオレンジ色の勾玉が並び、熊谷さんは「一つ一つ観察し、色や形の微妙な違いを確かめてほしい」と呼び掛ける。
 二つの展示室にあるガラスケースは約30個で、訪れる人も年間3千~4千人程度。熊谷さんは「希少価値がある展示物は少ないかもしれない」としつつ、「関心の幅を広げるきっかけづくりの場となることを心掛けている」と話す。(井原尚基)
【メモ】京都市右京区嵯峨広沢西裏町5の26(JR嵯峨野線嵯峨嵐山駅から徒歩約20分、京福電鉄車折(くるまざき)神社駅から徒歩約15分)。常設展に加え、例年は企画展や特別展を年に3回開く。併設するシアターでは公演や映像上映会が年間10回ほど行われ、昨年は淡路人形浄瑠璃も演じられた。10時~17時半(入館は17時まで)。日祝日など休館。無料。TEL075・873・3115

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