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着物や書簡…「細雪」の世界に浸る100点 谷崎潤一郎記念館で特別展

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更新日:2021年09月24日

  • 「細雪」をテーマにした特別展の様子=芦屋市伊勢町、谷崎潤一郎記念館

  • 谷崎の一家全員が楽しみにしていた花見の記念写真=芦屋市伊勢町、谷崎潤一郎記念館

  • 実際に谷崎が書いた書簡の一部=芦屋市伊勢町、谷崎潤一郎記念館

 昭和初期、軍靴の音が高まる中にも、兵庫県の阪神間には穏やかでモダンな市民生活があった。芦屋市谷崎潤一郎記念館(同市伊勢町)で開かれている、秋の特別展「細雪(ささめゆき)~日常への憧憬(しょうけい)(オマージュ)~」。文豪の代表作に描かれている日常をテーマに、妻の松子らが愛用し、作中の場面を連想させる着物や洋服のほか、当時の人間関係をうかがわせる書簡など約100点を紹介している。12月5日まで。(村上貴浩)

 細雪は、芦屋を舞台に、谷崎の家族をモデルにした4姉妹の平穏で豊かな生活を描く。1943(昭和18)年に連載が始まったが、「軟弱で戦争を傍観している」などと軍部からの圧力で連載は中断された。
 会場に入ると、白、藍色の格子柄の着物が目に飛び込んでくる。松子のもので、これを使って細雪の冒頭、松子をモデルにした「幸子」が着物を着て音楽会に向かう場面を紹介している。
 展示物はそれぞれ作中のシーンを連想させるものを選び、一つ一つ文章の抜粋と合わせて並べる。会場を巡ると作品の流れが分かるという工夫だ。
 目を引くのが、家族で撮った花見の写真。毎年の恒例行事として年代ごとに並べられ、着物から洋服へと変化する生活のほか、娘たちの成長が読み取れる。物語では4姉妹に交互に幸福と不幸が訪れ、緩やかに没落、そして離散へと展開する。学芸員の井上勝博さんは「写真からは、谷崎の大切にした日常と、それが変遷していく様子が伝わってくる」と話す。
 また、谷崎は生涯で3度の結婚をしており、3人目の妻となった松子が、別れた元夫とけんかするのを谷崎が仲裁した経緯を親族に伝えた書簡なども展示。作中には盛り込まれていないが、当時の谷崎を巡る人間模様の一つとして紹介している。
 井上さんは「谷崎は細雪を通じて、新しい市民階級の日常を書き続けた。作品をより実感でき、世界に浸ってもらえる展示になっている」と力を込めた。
 午前10時~午後5時。月曜休館。一般500円、大学、高校生300円、中学生以下無料。同記念館TEL0797・23・5852

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