義足を必要とする発展途上国の人たちに届けようと、神戸医療福祉専門学校三田校(兵庫県三田市福島)の学生グループ「ル☆ワンダフル同好会」が、中古義足の再生に取り組んでいる。日本国内で使われなくなった義足を集め、部品ごとに分解して修復。東南アジアやアフリカを念頭に、受け入れ先を探している。(山岸洋介)
グループは4月、義肢装具士科(3年制と4年制)の約20人で発足。現在は1~4年の約60人が参加している。
きっかけは、義肢装具士の養成課程がある広島国際大で2015年に始まった学生プロジェクト。中南米のハイチに義足を送った実績があり、教員同士のつながりで16年に三田校にも参加の呼び掛けがあった。当時の学生は卒業を控えていたため実現しなかったが、新年度に合わせて有志がグループを結成した。
授業とは別に1、2カ月ごとに集まり、義肢会社に譲ってもらった中古品を修復。ゴムの足先は磨いて汚れを落とし、膝関節に当たる「継ぎ手」という金属部分は洗浄して油を差すほか、摩耗や傷のひどい箇所は磨いたり部品交換したりして再生する。
8月には広島国際大へ行って大学生と一緒に作業し、プロジェクトに約80点の再生品を託した。今後は独立して活動する予定で、すでに海外支援に取り組んでいる義肢装具士を窓口に送り先の国を探していく。
同好会代表で3年の長田悟さん(44)=加古川市=は「医療を志す者として、少しでも役に立ちたい。長く続く活動にしていく」と話す。
不要になった中古義足を寄付してくれる人や義肢会社を募っている。同校TEL079・563・1222
