三田

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宏一さんの写真の前で、愛犬の夢ちゃんを抱く小前恵さん=三田市
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宏一さんの写真の前で、愛犬の夢ちゃんを抱く小前恵さん=三田市

 乗客106人が死亡した尼崎JR脱線事故から25日で13年になる。兵庫県三田市の小前恵さん(62)は、大阪教育大学2年だった長男の宏一さん=当時(19)=を亡くした。生きていれば32歳。閉ざされた未来を想像してみる。夢だった小学校の先生になってるかな? 子どもがいるかも-。19歳のままの息子と、年齢を重ねていく同級生を比べてしまう。「おじさんになった宏一に会いたい」。

 宏一さんは通学途中で事故に遭った。「人懐っこくてね、友だち一人一人と深い付き合いをしていたみたい」と恵さん。年月がたっても、命日が近くなると毎年、たくさんの友人が自宅を訪れ、線香を上げてくれる。

 息子のことを思っていてくれてうれしいと素直に思う。だが、複雑な気持ちもある。仲が良かった同級生の男性は、社会人になって言葉遣いが丁寧になった。結婚し、子どもが生まれた友人もいる。1年、また1年、年を取って変わっていく同級生と、記憶の中の宏一さんが少しずつ離れていく気がする。

 宏一さんの大学入学と同じ時期に飼い始めたシーズー犬の「夢ちゃん」も年を取った。宏一さんが使っていた携帯電話には、今も夢ちゃんとじゃれる動画が残っている。ただ最近は動きがゆっくりで、眠っていることも多くなった。

 恵さんは25日、尼崎市で行われる追悼行事に出席し、事故現場を訪れる予定だ。丸13年。写真の中の宏一さんは当時と変わらない笑顔を浮かべる。「あの頃は毎日がにぎやかだったけど、この13年間は中身がなかった」。年を重ねるごとに悔しさが募る。(山脇未菜美)

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