三田

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羽化を終え、抜け殻にしがみつくセミ=三田市川除
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羽化を終え、抜け殻にしがみつくセミ=三田市川除
約30分かけてセミの幼虫は、割れた殻から抜け出し、羽を伸ばすために抜け殻にぶら下がった(上から順に)=三田市川除
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約30分かけてセミの幼虫は、割れた殻から抜け出し、羽を伸ばすために抜け殻にぶら下がった(上から順に)=三田市川除

 厳しい暑さが続く兵庫県三田市内で、セミの大合唱が響き始めた。地中から出てきた幼虫は木にしがみついて殻を破り、夜間にひっそり成虫になる。川除の武庫川沿いにある桜並木で、その瞬間を見守ってみた。

 ガサガサ、ガサガサ。23日午後8時半ごろ、月明かりが照らす桜の根元で、土からはい出た体長5センチほどの幼虫6匹がもがいていた。草の間をおぼつかない足取りでさまよい、3匹だけが木にたどり着いた。うち1匹が、80センチほど登ったところで幹にしっかり爪を立てた。

 午後9時半ごろ、腕立て伏せをするように体を揺らし始める。茶色い背中の中央にはだんだんと縦に裂け目が入り、薄緑の体の一部が見えるようになった。しかし、時間を追うごとに動きに力強さがなくなり、日付が変わった午前1時半ごろ、背中だけを出したまま、ぴくりともしなくなってしまった。周辺にはほかにも死んでしまった幼虫がいた。

 別の木を見ると、近くに10匹以上、殻を破ったばかりのセミが丸まった羽を伸ばしていた。抜け殻にしがみつき、薄く青みがかった半透明の羽を広げる姿は幻想的。けたたましい日中の鳴き声からは想像できない涼しげな装いだ。

 日が昇るまでには、体全体が黒や茶色に染まり、見慣れた見た目に。土から出て数週間でその生涯を終えるというセミ。精いっぱい夏を盛り上げて、と願った。(門田晋一)

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