三田

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自身の経験や思いを語る古屋一之さん(右)=フラワータウン市民センター
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自身の経験や思いを語る古屋一之さん(右)=フラワータウン市民センター

 若年性認知症の男性による講演会「ひと足さきに認知症と歩む私から、あなたへ」がこのほど、フラワータウン市民センター(兵庫県三田市武庫が丘7)で開かれた。絶望で死にたいと思った2年前。相談員に背中をさすられ涙を流した日。約150人を前に、現在の暮らしや、病気を受け入れ、前向きに生きられるようになるまでの心の動きなどを穏やかな表情で語った。

 同市の古屋一之さん(60)は50代半ばのころ、文字が読めなくなるなどの症状が現れ始めた。2016年10月、アルツハイマー型認知症と診断を受けた。

 講演で古屋さんは、医師から病名を告げられた当時を振り返り、「すぐに何も分からなくなるのではと絶望した。病院の窓から飛び降りて死のうと思った」と打ち明けた。

 不安を抱いて相談に訪れた「ひょうご若年性認知症生活支援相談センター」(神戸市中央区)で、相談員が背中をさすってくれた。「病気の自分を許してもらえたようで心が軽くなり、涙が止まらなかった」と古屋さん。病気を受け入れるきっかけになったといい、「気に掛けてくれる人の存在が一歩を踏み出すエネルギーになる」とサポートの重要性を訴えた。

 現在は、篠山市の就労継続支援事業所に通うほか、神戸市北区の介護老人保健施設の若年認知症サロンにも毎月参加している。「みんなよりも少し先に病気になった人間として、自分のように苦しむ人を1人でも減らしたい」と今年から講演活動を始めた。

 古屋さんは「病気が進行する怖さはあるけど、分かり合える人との交流を通して、ありのままに生きようと思えるようになった」と話し、「何もかもすぐに忘れるわけではないし、感情もある普通の人間。周りに認知症の人がいたら応援してほしい」と締めくくった。

 講演を聞いた介護士の女性(58)=同市=は「苦労が多かったと思うが、勇気をもらった。病気が分かったあとの周囲の支援が欠かせないことをあらためて学んだ」と話した。(門田晋一)

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