三田

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 障害のある40代の長男を20年以上自宅のおりに閉じ込めたとして、兵庫県三田市内に住む父親が監禁罪で有罪判決を受けた事件は発覚から1年が経過した。長期間の監禁を発見できなかった要因を検証するため、市は第三者委員会を設置。職員の引き継ぎ不足や組織の機能不全が指摘された。その後も障害者らを集めた会合を開いたが、再発防止や早期発見に向けた有効な手段は見いだせていない。

 事件は昨年4月7日、長男を長期間、自宅に設置したおりに監禁したとして、父親が逮捕された。公判で父親は「(息子の処遇を巡って市に相談したが)施設入所の順番待ちが大変であきらめていた」などと証言。懲役1年6月、執行猶予3年の判決に控訴はなく、昨年7月に確定した。

 裁判長は判決で「支援を必要とする人々が尊厳ある生活を送るため、地域社会が主体的な役割を果たすべきだ。それなのに、支援体制や要支援者との共生への理解が不十分だった」などと指摘した。

 市が昨年5月に設置した三者委は、市職員の当事者意識の低さなどを問題視。市は職員の資質向上に向け、本年度予算に外部講師を招いて実施する研修費など50万円を計上した。

 また、市は福祉サービスを利用せず、民生委員らも状態を確認できていない障害者が1560人いるとして昨年11月から本人や保護者らへの面談を始めた。約3年かけて全員と会い、困りごとなどを把握するが、3月末までに確認できたのは51人にとどまっている。

 一方、市は裁判官や三者委の指摘などを受けて昨年10月、障害者の虐待防止に向け、地域ぐるみの活動を検討する「障害者共生協議会」を立ち上げた。市内在住の障害者や家族、民生児童委員ら16人が参加し、計5回にわたり地域での障害者との関わりを議論した。

 これまで、支援が必要な障害者の情報をどの程度オープンにするか▽地域での居場所づくり▽イベントの開催-などを話し合い、報告書を今月下旬、市長に手渡す予定という。ただし具体的な施策につながる内容は乏しく、すぐに成果につなげるのは難しそうだ。

 重度身体障害者を支援する一般社団法人自立生活センター三田(加茂)の代表で、身体障害のある吉田みちさんは同協議会を毎回傍聴に訪れた。「会議を開いた、という事実だけで終わってほしくない。障害者の人権が踏みにじられた事件を忘れないよう、今後も議論の場があれば」と力を込めた。

 市障害福祉課は「事件が公になってから1年が過ぎたが、特に節目という感覚はない。日々の仕事をきっちりこなしたい」としている。(高見雄樹)

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