三田

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口頭で伝えられた幾何学模様を描き、意思疎通の難しさを体験する参加者=市総合福祉保健センター
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口頭で伝えられた幾何学模様を描き、意思疎通の難しさを体験する参加者=市総合福祉保健センター

 知的障害や自閉症の人たちが日々の暮らしで抱く「分からないこと」に理解を深める-。そんな研修会を、兵庫県三田市内の当事者と家族でつくるNPO法人「三田市手をつなぐ育成会」(同市三田町)が各地で開いている。意思疎通の難しい障害者とコミュニケーションを取る上での主なポイントは、「具体的に」「強調して」「絵も活用する」ことだという。市総合福祉保健センター(川除)で市民約40人が疑似体験しながら学ぶ研修会があると聞き、取材した。(門田晋一)

 「リンゴの絵を描いてください」「次はボールを」

 女性会員の司会に従って、参加者たちが紙にペンを走らせる。すると次の質問に、多くの人がきょとんとした表情を浮かべた。

 「じゃあ、『ちゃんと』を描いてみてください」

 これは「イメージできない言葉は理解しにくい」とされる障害者の疑似体験という。参加者が描いた絵は、整頓されたおもちゃや、並んだ靴などまちまち。会員は「『もっと』『ちょっと』では分からない。何かを伝えるときは、具体的に伝えてあげて」と助言した。

 続いて、スクリーンに何が見えるか-。映し出された風景画像が2秒後に消えると、参加者らは「神社の鳥居」「車」「山」「看板」などと、それぞれ違う回答をした。瞬時には全体を見渡せないように、障害者も何かが気になると、他のものには注意が向きづらい傾向にある。絵や写真の中に見てもらいたいものがあるときは、好きな色や星のマークで強調したほうが良いという。

 最後は参加者が2人1組になり、1人が紙にある図形を口頭で説明し、もう1人が聞いて描いていった。「丸」と言うと「○」、「三角」と聞けば「△」と簡単だが、幾何学模様になると「丸の中に三角があって…」と伝え方も難しくなり、聞き手が描く図形はどんどん実際とかけ離れた。

 「『言葉で分かる』には健常者だって限界がある。絵や図を見せて伝えた方が分かりやすい場面もある」。会員の解説に納得した。

    ◇

 こうした研修会は、三田市手をつなぐ育成会のメンバーでつくる「さんだ知的障害啓発隊 はぁとポケット」が主体になっている。障害の特性を広く知ってもらおうと、昨年3月、市などの協力を得て設立したという。

 同育成会の市川修子理事長(66)は「障害を理解してもらえるよう、地域で多くの方に学んでもらえる機会を増やしていきたい」と話す。

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