三田

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母の被爆体験を語る清野久美子さん。会場の子どもたちに「人ごとだと思わないで」と語り掛けた=総合福祉保健センター
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母の被爆体験を語る清野久美子さん。会場の子どもたちに「人ごとだと思わないで」と語り掛けた=総合福祉保健センター
平和を願い、歌を披露する三田少年少女合唱団の子どもたち=総合福祉保健センター
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平和を願い、歌を披露する三田少年少女合唱団の子どもたち=総合福祉保健センター
非戦の誓いを読み上げる関西学院大の門沢里香さん(右端)と斎藤志乃さん=三田市天神1
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非戦の誓いを読み上げる関西学院大の門沢里香さん(右端)と斎藤志乃さん=三田市天神1

 戦争の記憶を次代に語り継ぐ「平和を考える市民のつどい」(三田市遺族会や新日本婦人の会三田支部などでつくる実行委員会主催)が4日、三田市総合福祉保健センター(兵庫県三田市川除)で開かれた。広島市中区の清野久美子さん(61)が「被爆者が見たヒロシマ」と題して、自身の母親の体験や被爆前の街の様子を詳細に語り、約200人が静かに耳を傾けた。

 清野さんは広島市が認定する「被爆体験伝承者」として、母鹿野京子さん(89)の体験を伝えている。講演は日本語と英語で4年間に約300回に上るが、兵庫県内で話すのは初めて。

 京子さんは現在の平和記念公園の場所にあった繁華街・旧中島地区に住んでいた。当時15歳。原爆投下時は仕事で郊外にいて無事だったが、一緒に暮らしていた母と2人の弟を失った。

 京子さんはあの日の朝、泣いていた2歳の弟に声をかけたといい、清野さんは「(京子さんの)母が『大丈夫。早く仕事に行かないと』としゃべったのが最後の会話になった」と説明。京子さんは翌日、自宅があった場所の近くで遺体を見つけたが、確認しなかったという。「焼け焦げていて、顔を確認する勇気も出ないまま、泣きながらがれきの街を歩いた」との京子さんの話が明かされると、会場ではハンカチを目に当てる人もいた。

 また、京子さんの同級生らが目にした光景を描いた絵を見せ、惨状を伝えた。被爆前の中島地区で子どもたちがいきいきと遊ぶ様子も紹介し、清野さんは会場の子どもたちに「あの日、8200人もの生徒が街中で作業をしていて、6300人が亡くなった。人ごとだと思わないでね」と語り掛けた。

 また、三田少年少女合唱団の36人による歌の斉唱のほか、参加者が鐘を鳴らしたり、白いハトを空に放ったりして、平和を願った。

■伝承の必要性を若者の視点で訴える 関学大の門沢さんと斎藤さん

 「平和を考える市民のつどい」では、三田市に住む関西学院大3年の門沢里香さん(20)と斎藤志乃さん(21)も登壇。「私たちは戦争体験者から直接話を聞くことができる最後の世代」と語り、伝承の必要性を若者の視点で訴えた。

 広島市内の中学、高校を卒業した門沢さんは関西に来てから、平和について考える機会の少なさや8月6日に黙とうする人がわずかなことに驚かされた。

 そこで昨夏、国際ボランティア団体「エコハビタット関西学院」で斎藤さんらと共に、学生14人による平和学習ツアーを企画。広島で被爆者から地獄のような当時の様子を聞いた。

 この体験から、門沢さんと斎藤さんらは昨年11月、神戸市立鈴蘭台小学校で平和学習を実施。クイズやワークショップを交えて被爆地の様子を説明したところ、「広島に行ってみたい」と話した児童もいたという。

 壇上で2人は「子どもたちは戦争について真剣に考えてくれた。広島だけでなく兵庫でも、次の世代に伝えることができた」と振り返った。(高見雄樹)

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