三田

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81歳のときに取材に応じた荒木田和美さん。「下書きはせず、感性に従い、見て感じたものを描く」と語っていた=2012年12月23日
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81歳のときに取材に応じた荒木田和美さん。「下書きはせず、感性に従い、見て感じたものを描く」と語っていた=2012年12月23日
闘病しながら描いた港湾施設のクレーン群
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闘病しながら描いた港湾施設のクレーン群
愛らしいフランス人形の水彩画
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愛らしいフランス人形の水彩画
がんの再発を告げられる前に描かれた「野菜たち」。多彩な色合いが印象的
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がんの再発を告げられる前に描かれた「野菜たち」。多彩な色合いが印象的

 植物のアシを使った「葦ペン」で描く絵が国内外で評価され、今年4月に87歳で他界した画家、荒木田和美さん=兵庫県三田市=の遺作展が、同市天神1の市総合文化センター・郷の音ホールで開かれている。葦の太さを自在に操り、臨場感あふれる作品を生み出してきた。展示では、がんで亡くなる間際まで創作意欲を燃やした絵画も含めた約70点を並べ、遺族は「魂の作品を見てもらいたい」と話す。12日まで。(山脇未菜美)

 荒木田さんは三重県の出身。高校を卒業後に神戸の化学工業会社に就職した。研究開発に携わる一方、休日は太いフェルトペンを手に三宮や新開地へスケッチに出掛けた。40代で神戸新世紀秋季展の県知事賞に輝くと、数々の公募展で入賞した。葦ペンに出合ったのは、三田に移住後の70代。かすれた線や髪の毛ほどの細い線など、表現できる幅が広いと夢中になり、三田で絵画教室「葦の会」を発足させて約100人を教えた。

 「前向きで面倒見のいい人でした」と長女の陽子さん(58)。2009年に膀胱がんが判明しても「がんに打ち勝ちます」が口癖だった。計13回の手術を経て昨年に肺への転移が分かり、血たんや血尿など激痛に苦しんだ。晩年は酸素ボンベが手放せなかったが、教室で生徒と触れあい、自身も筆を握り続けた。

 艶々とした果物、目がくりっとしたフランス人形、三田の田園風景…。遺作展では初期の油絵や水彩画に加え、晩年に神戸に通って描いたドックやクレーンなど港湾施設の風景を100号キャンバスに描いた作品も公開。葦ペンを何度も走らせた重厚感が印象的だ。

 今年4月9日、教室の生徒ら約40人と神戸市中央区の生田川沿いで指導したのが最後のスケッチ会になった。同21日、ドックの連作を仕上げようと、医師や家族に懇願して病院から自宅に戻り、未完成の絵の前で崩れて息を引き取ったという。長男の義人さん(55)は「絵への情熱がすごかった。作品を見てもらうことが供養になると思う」と話す。

 無料。午前10時~午後6時(12日は同4時まで)。20~25日には神戸市灘区原田通3、原田の森ギャラリーで作品が展示される。

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