三田

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電波望遠鏡を南極に設置するため、寄付集めを始める中井直正教授=関学大神戸三田キャンパス
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電波望遠鏡を南極に設置するため、寄付集めを始める中井直正教授=関学大神戸三田キャンパス
中井教授が南極で設置を構想する電波望遠鏡の完成予想図
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中井教授が南極で設置を構想する電波望遠鏡の完成予想図

 南極に大型望遠鏡を造るために寄付を-。関西学院大学理工学部(兵庫県三田市学園2)の教授で電波天文学が専門の中井直正さん(65)=同市=が、地球上で最も天体観測の条件が良いとされる南極で電波望遠鏡を建設するプロジェクトを10月から始める。寄付の目標額は総事業費に当たる20億円。完成すれば人類の起源を探る研究につながるという。公的な研究費が削減される中、温めてきた構想を実現しようと異例の行動に打って出る。

 中井さんは遠い宇宙から地球に届く電波を観測し、多くの星が集まった銀河の様子を解析する「電波天文学」の研究者。関学大理学部を卒業して東大大学院で博士号を取得し、国立天文台や筑波大で長く研究生活を送った後、2018年4月から母校で教えている。

 ハワイ・マウナケア山頂にある「すばる望遠鏡」の建設を進め、今年4月に亡くなった海部宣男さんとは、大学院生時代からの付き合い。南米チリの「アルマ望遠鏡」の建設時には、トラックに乗って砂漠を2千キロ走破し、適地を探した。

 そんな中、中井さんは観測場所として南極の魅力に取りつかれていく。平均気温はマイナス50度を下回るため、大気中の水蒸気が凍り付いて降下。水蒸気量が地球上で最も少ない地点の一つなので、宇宙からの微弱な電波を水蒸気に邪魔されることなくキャッチできるという。

 宇宙の誕生から138億年。132億~135億年前に発せられた電波を巨大なアンテナである望遠鏡で捉えることで「未解明の領域にアプローチできる」と中井さん。目に見える光では観測できないほど、遠い宇宙の様子も分かるという。プロジェクトの目標は、生まれて間もない銀河の発見。炭素や酸素、鉄など高等植物が生育するために必要な10元素の量などを解析できれば、生命の起源をたどることができるという。

 構想では、研究仲間の協力を得ながら、日本の南極観測の拠点となっている「ドームふじ」近くの標高3800メートル地点に、直径10メートルの電波望遠鏡を設ける。

 寄付は1口千円で、開設予定のウェブサイト「南極10メートルテラヘルツ望遠鏡計画」で受け付ける。寄付者全員に進展状況をメールで報告し、講演会にも招待。1万円以上の寄付者の名前を銘板に載せるほか、望遠鏡の国内披露会に招くなど、金額に応じた特典を用意している。

 中井さんは「研究費が付くのを待つのではなく、皆さんに研究の趣旨を理解してもらって前に進めることが重要。多くの人に『無理』と言われるが、次世代の研究者のためにも実現させたい」と意気込んでいる。

 中井研究室TEL079・565・8314

(高見雄樹)

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