三田

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市立学校の教頭や教諭約70人を前に講演する野村さん=三田市尼寺、有馬富士共生センター
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市立学校の教頭や教諭約70人を前に講演する野村さん=三田市尼寺、有馬富士共生センター

 兵庫県三田市で昨年発覚した障害者のおり監禁事件は、周囲の働きかけによって防げた-。市内で発達支援が必要な児童・生徒の支援施設を運営する野村弘子さん(64)=三田市=は、周囲の環境によって障害が深刻化する「二次障害」が事件の背景にあったと見る。27日に市教育委員会が開いた教職員向け研修会で、学校で二次障害を防ぐための方策について初めて講演した。(高見雄樹)

 事件では、重度の知的障害がある長男の暴力が激しく、父親が20年以上にわたって自宅のおりに監禁したとされる。野村さんによると、二次障害とは、発達障害(一次障害)のある人が、周囲の無理解やいじめなどから起きるストレスが原因で、精神障害などを発症することだという。

 長男は13歳ごろから急に暴力が始まったとされ、経緯などから「二次障害の可能性が高い」と野村さんは判断。「重度の知的障害があっても、心を通わせて対応すれば、手ぶりなどで意思疎通ができる。おりに閉じ込めるまでエスカレートしなかったはず」とする。

 その上で、引き継ぎ不足などから両親の悩みを把握できなかった市の対応を「障害者に対する人権、知識、思いがなかった」と批判した。

 野村さんは1996年から市議を3期務めた後、発達障害の子どもや親を支援する会社を設立。5年前に放課後デイサービス施設「ユニバーサルスクール」の運営を始めた。これまでに障害や不登校の子どもと親ら、千人以上にカウンセリングをしてきた。

 27日の講演で、野村さんは二次障害の予防策を提言。「問題行動が起こったとき、特性に合わせた合理的配慮をすることが大切」などと指摘した。

 実例として、読み書き障害と診断された小学生の話を紹介。2、3年生の時、担任から宿題や忘れ物について厳しく指導された、二次障害から暴言・暴力・自傷行為が深刻化して不登校になった。高学年になり、学校や親の対応の変化で症状は改善。現在、宿題はなし、テストでは全ての漢字にルビを振るなどの「合理的配慮」で、学校生活を楽しんでいるという。

 合理的配慮は、2016年4月施行の障害者差別解消法に規定され、罰則もある。野村さんは「無理解な環境では二次障害が起こる。障害者が持つプラス面や強さを子どもと保護者に伝え、先生は指導者ではなく支援者になってほしい」と話した。

【三田市の障害者おり監禁事件】障害のある40代の長男を20年以上、自宅のおりに閉じ込めたとして、70代の父親が監禁罪で有罪判決を受けた事件。昨年4月に発覚し、市の第三者委員会は市職員の引き継ぎ不足や組織の機能不全を指摘した。その後も障害者らを集めた会合を開き、再発防止や早期発見に向けた有効な手段を協議。ただ、具体策を見いだすのは難しく、市が示す今後の方向性に注目が集まっている。

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