三田

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(三田市「三田の民話100選」から。挿絵は岩本芳子さん)
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(三田市「三田の民話100選」から。挿絵は岩本芳子さん)
(三田市「三田の民話100選」から。挿絵は岩本芳子さん)
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(三田市「三田の民話100選」から。挿絵は岩本芳子さん)

 ある寒い日、お年寄りが若者を連れて山を登った。

 兵庫県三田市の三輪神社の裏手にある丸山の坂を通ると、そばに扇の形をした小さな池がある。若者がふと見ると、池の水が回っているではないか。急いで人を呼び集め、村は大騒ぎになった。その時、お年寄りが場を収めるように話し始めた。

 「水の回り具合で吉凶(良いこと悪いこと)を知らせている。右回りはその年の吉、左回りは凶の知らせだから気を付けるのじゃ」

 「今は右回りしているぞ」と誰かが言った。「きっと米がよく採れるに違いない」と、村人たちは手を取りあって喜んだ。

 大井元の水 吉凶の池の近く、三輪神社の社務所の少し西側に、きれいな冷水が湧く井戸がある。

 「大井元」と呼び、村では神仏に供える水をくんでいる。日照り続きでも大雨でも水量は変わらず、酒造りにも使う貴重な水源だ。

 井戸には屋根が掛けられ、石の祠と石灯籠が置かれる。祠の中には神さまが降りてくる「影向石」という石があり、祠の内側には「三輪大明神」の文字が刻まれる。

 もし村に災害が起きる時は、風も吹かないのに井戸の水面が波立ち、蛇が現れてこの石に巻きつくと言われている。

      ◇

 実はこの吉凶の池の水と、大井元の水は、水脈がつながっているということだ。どちらも人々の暮らしに役立ち、いろんなことを伝えてくれる水なのだ。(三田市「三田の民話100選」から。挿絵は岩本芳子さん)

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