三田

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(三田市「三田の民話100選」から。挿絵は岩本芳子さん)
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(三田市「三田の民話100選」から。挿絵は岩本芳子さん)
(三田市「三田の民話100選」から。挿絵は岩本芳子さん)
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(三田市「三田の民話100選」から。挿絵は岩本芳子さん)

 永沢寺(兵庫県三田市)に通幻禅師という偉いお尚さんがいた。毎日、寺(永澤寺)の座禅堂で未明まで座禅をしていると、ある日に怪女が現れ、お尚さんに解脱の法を授かった後、竜に戻って天空へ帰っていった。そのときのお話。

     ◇

 竜が本堂の前庭で、土煙や砂煙をもうもうと巻き上げ、大地を蹴って舞い上がろうとしている。

 「お尚さん、ありがとう。心と身の苦しみから解き放っていただいたご恩は決して忘れません」

 お寺の上空を3回まわり、天空へと…。ところが、どうしたことか。いつものように飛べない。

 「まだ、私の心が解き放たれていないのだろうか」

 飛ぶ勢いが弱々しくなっていく。竜が自分の体を見回すと、尾の先に黒い影。なんと、大きな亀がかみついているではないか。

 ふりほどこうと、しっぽを振っても、亀はびくともしない。ぐるぐる回しても、かみついたまま。

 竜は知恵をしぼり、大声で呼びかけた。「亀さん。そのままでは落ちてしまうよ。かみ直したら、楽になりますよ」

 実は、亀はふりまわされて、ふらふらになっていた。そこで口を大きく開け、「あーん」と、かみ直そうとした瞬間、上空から峠の大岩めがけて、まっさかさま!

 「がーん」と大きな音が鳴り響き、亀の甲は割れてしまった。

 その後、この峠を「亀割峠」と呼ぶようになったそうだ。それから、亀の甲は硬くなったとさ。

(三田市「三田の民話100選」から。挿絵は岩本芳子さん)

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