三田

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びょうぶの下張りを調べる河野未央さんとスタッフ=神戸大学
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びょうぶの下張りを調べる河野未央さんとスタッフ=神戸大学
(上から)・木枠から下張りを剥がす・大量の文書を発見・文書のサイズを計測し、スケッチ・目録を作成=神戸大学
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(上から)・木枠から下張りを剥がす・大量の文書を発見・文書のサイズを計測し、スケッチ・目録を作成=神戸大学
江戸の九鬼家で九鬼隆時の身辺を世話していた者が、三田藩家老だった隆展に仕えた脇田六郎兵衛に送った手紙とみられる。隆時は隆展の叔父に当たり、隆寿は隆展の息子
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江戸の九鬼家で九鬼隆時の身辺を世話していた者が、三田藩家老だった隆展に仕えた脇田六郎兵衛に送った手紙とみられる。隆時は隆展の叔父に当たり、隆寿は隆展の息子

 兵庫県三田市内の旧家にあったびょうぶに、江戸時代前・中期ごろ、三田藩主の九鬼家で家老だった「九鬼図書家」の家臣らが記した大量の文書が下張りとして使われていたことが分かった。手紙や記録のほか、関ケ原の戦い、大坂冬の陣・夏の陣で出された「法度」の写しなど約1200点に上り、藩士らの人間関係や生活ぶりが読み取れる。神戸大学を拠点に古文書を修復する「歴史資料ネットワーク」が調べており、23日に市総合文化センター・郷の音ホール(天神1)であるイベントで一部が展示される。(門田晋一)

 22日時点で内容が判明したのは約120点で、三田-江戸間で藩士がやりとりした書状が大半という。カツオのたたきを送ったという知らせや、箱根越えに掛かった経費の記録など内容は多岐にわたり、九鬼図書家に仕えた「脇田六郎兵衛」の名前が散見されることから、どれも17世紀末ごろのものとみられる。

 関ケ原の合戦を控えて徳川家康が発した「軍法」、大阪冬の陣に向けて藩士らに作物の刈り取り、強奪、放火などを禁じた「禁制」の写しも見つかった。

 歴史資料ネットワークは、大学や博物館の研究者らで構成。スタッフで尼崎市立地域研究史料館職員の河野未央さん(43)が三田市内の所有者から「自宅のびょうぶに花押や古い文字がある」と相談を受けた。5月からボランティアら約30人と神戸大で復元を始め、びょうぶの木枠を水でぬらし、ヘラで下張りを剥がした後、サイズや内容を確認して目録を作成している。

 河野さんによると、これらの文書は、びょうぶ職人が買い取って使ったとみられる。「三田藩の暮らしを知る貴重な史料で、軍法や禁制をなぜ書き写したのか、という謎も解き明かしたい」と話した。

 展示は午後1時~4時。午後2~3時には河野さんのセミナーもある。定員95人。無料。同ホールTEL079・559・8100

■江戸から病気知らせる手紙(訳文)

 お手紙を差し上げます。先ほどお手紙を読みました。そちらにいる図書(九鬼隆展)様は健康で過ごしているようでとてもうれしく思います。江戸にいる人たちはみんな元気です。

 3月ごろに、与五右衛門(九鬼隆時)様と家族が激しい下痢を伴う病気を患ってしまいました。回復が少し遅くてげっそりとしているけれど、腹痛はなくなり、最近は元気になってきています。

 病気にかかっていた人たちも回復し、大変な時期を脱しました。お気遣いなく。藤四郎(九鬼隆寿)様から朝鮮ニンジンを受け取りました。

     ◇

 江戸の九鬼家で九鬼隆時の身辺を世話していた者が、三田藩家老だった隆展に仕えた脇田六郎兵衛に送った手紙とみられる。隆時は隆展の叔父に当たり、隆寿は隆展の息子。

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