三田

  • 印刷
緑色のスプレーで「×」印が書かれた九鬼隆範のパネル=三田市屋敷町
拡大
緑色のスプレーで「×」印が書かれた九鬼隆範のパネル=三田市屋敷町
落書きを修理する関係者たち=三田市屋敷町
拡大
落書きを修理する関係者たち=三田市屋敷町

 兵庫県三田市屋敷町の県指定重要文化財(県重文)「旧九鬼家住宅」の母屋玄関に「死」という文字などが書かれていた器物損壊事件で、建物を所有する市は9日、母屋だけで4カ所の落書きがあったと発表した。掲示板や隣接する施設を含めると計11カ所に及び、4種類の塗料が使われていた。県重文の一部は修復に手間取ることが予想される。市が管理する文化財でこうした被害は初めてで、周辺の道路や施設に防犯カメラはなかった。

 「おばちゃん、『死ね』って書いてある」。午前7時50分ごろ、路上で児童の登校を見守っていた女性(63)が子どもに知らされた。母屋の玄関扉に直径1・5メートルの大きさで「死」と書かれ、説明看板などに「×」が付けられていた。管理者のNPO法人を通じて三田署に通報した。

 近くには有馬高校もあり、通学時の人通りは多い。女性は「過激な言葉を子どもに読ませてしまって悲しい」と声を落とした。

 同住宅は三田藩主九鬼家の家臣で、明治政府の鉄道技師だった九鬼隆範が設計した。瓦屋根に西洋風の2階ベランダなど、明治初期に建てられた全国でも数少ない「擬洋風建築」として知られる。1998年4月に県重文となった。

 市文化スポーツ課によると、母屋の玄関扉と説明看板には緑色のスプレーが使われていた。他にも外壁のしっくい、隣の「三田ふるさと学習館」の玄関、裏口の3カ所にも青、緑、赤色のペンキで線を引かれるなどしていた。

 市は拭き取り作業を始めたが、明治期の部材とみられる母屋の木製扉としっくいの壁は修復が最も難しいという。午後には県教育委員会の職員も訪れて確認。木材は表面を傷めないように塗料をはがし、壁は同じ材料で塗り直す必要があるため、市は今後、県教委の指導を受けて修復する。

 同課は「修復に要する費用や期間は見当がつかない」と説明。再発防止のため、三輪明神窯史跡園(三輪)など市が管理する文化財への防犯カメラ設置を検討する。

 三田ふるさと学習館の堺久仁子館長(67)は「嫌がらせをされる理由が分からない」と困惑。2001年に同住宅を公開して以降、このような被害はなく、脅迫文といった予兆もなかった。前日の8日午後5時半時点で異常はなかったという。(高見雄樹、山脇未菜美)

三田の最新
もっと見る

天気(8月16日)

  • 36℃
  • 28℃
  • 10%

  • 36℃
  • 24℃
  • 10%

  • 36℃
  • 28℃
  • 10%

  • 39℃
  • 27℃
  • 10%

お知らせ