三田

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入初式で「湯もみ」をする芸妓たち=神戸市北区有馬町
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入初式で「湯もみ」をする芸妓たち=神戸市北区有馬町

 毎年1月2日には「入初式」が開かれます。

 これは有馬温泉の恩人「行基上人」と「仁西上人」に、新年の初湯に入っていただく行事です。行基上人は奈良時代に「温泉寺」を建てて温泉地の基礎を築きました。仁西上人は自然災害で荒廃したのを鎌倉時代に復興させたのです。

 有馬温泉誌を見ると、江戸中期の1753年にあった入初式の様子が書かれています。当時は僧侶たちが「羅漢講式」という経をあげて、温泉寺にまつられている両上人像に入浴してもらう儀式を執り行います。終了後は宿屋の主人たちが「羅漢振舞」というもてなしをして僧侶たちをねぎらったようです。その献立を見ると、タイやアワビといった山海の珍味があり、いま見ても相当なごちそうです。フナの吸い物にサンショウも使われていました。

 以来、入初式は250年以上続いています。読経やごちそうは簡素化しましたが、両上人像に初湯に入ってもらう儀式は変わりません。終わらないと、一般の人は温泉に入れません。

 2日午前10時、温泉寺で行列の準備が整います。両上人の像をみこしに乗せて出発し、「金の湯」で初湯を受け取り、有馬小学校の文化講堂に向かいます。

 10時半ごろから儀式が始まります。その中の「湯もみ」は、湯女に扮した有馬の芸妓衆が「よいと!」(良い湯)という掛け声とともに、手に持った櫂で高温の湯をかき回して適温にします。その後、両上人の像に入浴していただきます。

 続いて、新米をお客さまに見立てて若松の枝で掃き寄せます。集客を祈願する儀式で、松は正月の縁起物に加えて「お客さまを待つ」の意味があります。

 儀式を終えると、再び行列を組んで温泉寺に戻ります。途中、阪急バス前の大通りで「帰せ! 戻せ!」の儀式が行われます。これは湯女たちが両上人の帰りを惜しむ様子を表したと言われ、「戻せ~」の掛け声で、みこしがあっちに走り、こっちに走り…。観光客も一緒に声をあげて走ります。入初式のもう一つのハイライトです。温泉地の人々と、両上人のつながりの深さを感じてください。

 入初式は神戸市の地域無形民俗文化財に指定される年1回の伝統行事です。百聞は一見に如かず。ぜひご覧にお越しください。そして終了後は、金の湯や銀の湯が開館しますので、初湯をお楽しみください。(有馬温泉観光協会)

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