三田

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(左から)貴志、中央町、母子のお雑煮。聞き取りを基に作ってみた。大根やニンジンの「◯」「□」といった切り方、かつお節の有無にも違いがある=神戸新聞北摂総局
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(左から)貴志、中央町、母子のお雑煮。聞き取りを基に作ってみた。大根やニンジンの「◯」「□」といった切り方、かつお節の有無にも違いがある=神戸新聞北摂総局

 明日1日は令和最初のお正月。兵庫県三田市に長らく住む人々を中心に「あなたの家のお雑煮は?」と尋ねると、市域では「みそ仕立てで、丸い餅を煮る」というスタイルが基本になっていることが浮かび上がった。ただ、江戸期に三田藩主・九鬼家の縁者だった家と農業者だった家では具材に明らかな違いも。今も地域で異なるのはなぜか。伝統は新時代にどう受け継がれていくのだろう。

 白みそ汁に、丸く薄切りした大根を入れ、その上に小芋、ゴボウ、焼き豆腐を飾る。かつお節をふわっと散らして出来上がり。

 「ずっとこれで育ってきたのよ」。中央町に先祖代々住む女性(80)の家は、もともと九鬼家が立ち寄る屋敷だった。男性は赤色、女性は黒色の祝い膳で食べる。屋敷は数年前に手放したが、戦国時代に志摩国(三重県)で「九鬼水軍」を率いた九鬼嘉隆の家紋「七つ星」の瓦も残っていたという。

 一方で、元貴志区長の前仁司さん(74)宅は、同じ白みそなのに、具は丸くスライスした大根とニンジンだけ。質素な理由を郷土の唄を交えて教えてくれた。

 ♪貴志や深田の灰焼き団子/(灰だらけで)吹いてたたいてせにゃ食えん♪

 一帯は水害が少ない米の豊作地で九鬼家に重宝されるも、「ぜいたくをすれば取り立てがきつくなる」という人々の意識が団子を質素にさせたとし、それが雑煮にも反映されたという訳だ。

 他に、北部の母子出身の男性(70)宅も基本は同じだが、汁は聞き取りで唯一の「合わせみそ」。さらには、特産の母子茶に梅干しを入れた「福茶」も一緒に作るという。

 「みそは今でこそ白が多いが昔は高価だった。だから庶民は自前で作っていたのでは」と市の担当者。母子の合わせみそは、その名残なのかもしれない。

 東部の波豆川で代々暮らす40代男性宅も基本は同じだが「おぼろ昆布」を入れる。甲南大学の都染直也教授(61)=社会言語学=は「山間部で採れない食材を入れる点に意味がある可能性がある」と指摘した。

 都染教授によると「角餅か丸餅」「すまし汁かみそ汁」は、東西どちらの方言・アクセントを使うかでほぼ分類できる。ただ、山陰方面で赤みそや小豆を汁にしたり、香川県では餅に餡を入れたりと例外もある。

 そこで三田市史を見ると、市南部では1月2、3日にすまし汁で焼き餅を入れた雑煮を食べる家が多い-とある。もしや九鬼氏のルーツと関係あるのでは?

 三重県の資料によると、志摩国の辺りは丸餅にすまし汁が一般的。九鬼嘉隆が本拠とした鳥羽市では小豆汁が見られるが、志摩市観光協会は「カツオだしに白菜を入れますね」。それでも三田の情報は少なく、共通点は見つけられなかった。

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