三田

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阪神・淡路大震災での入浴支援について語る三田市ゴルフ協会会長の林廣一(はやし・ひろかず)さん=三田市川原
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阪神・淡路大震災での入浴支援について語る三田市ゴルフ協会会長の林廣一(はやし・ひろかず)さん=三田市川原
三田青年会議所がまとめた「入浴バス」の報告書。日々の活動が克明に記録されている
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三田青年会議所がまとめた「入浴バス」の報告書。日々の活動が克明に記録されている

 阪神・淡路大震災の発生から17日で25年となる。兵庫県三田市は比較的被害が小さかったが、住民たちはおのずと考えた。自分に何かできないか-。災害時に近隣自治体は何ができるのか。被災地となった神戸、西宮、宝塚市と隣接する三田市では初期の職員派遣、物資搬送だけでなく、大規模な仮設住宅や復興住宅もできて、市民らがまちぐるみで被災者を支えてきた。支援に携わった人々に聞いた。

■三田市ゴルフ協会会長・林廣一さん

 -阪神・淡路大震災から9日後、三田青年会議所が被災者支援として「入浴バス」の運行を始めた。バスをチャーターして神戸・阪神間の避難所を回り、1カ月余りでのべ約1万人の被災者が心と体を休めた。多くを受け入れたのは、三田市周辺にある13カ所のゴルフ場だった。

 「受け入れの段取りは全て青年会議所がやってくれました。タオルや下着の用意までね。ゴルフ場は風呂を提供しただけなんですよ。震災直後はお客さんがいなくて開店休業状態でしたから、順番に毎週受け入れていました。元々、支配人同士の横のつながりが強かったので、要請があったらすぐに動けたのです。この時のメンバーを中心に今の市ゴルフ協会ができました」

 「1日に60~70人が入浴されたでしょうか。風呂から上がった人たちはみんな、表情がパッと明るくなってね。『ありがとう』って手を合わせて。お風呂の力を実感しました」

 「当時、私はサングレートゴルフ倶楽部(三田市川原)で支配人の補佐をしていました。1月17日は大阪市中央区の自宅を地震の直後に車で出て、三田に着いたのは午後1時半。それから2週間、泊まり込みで社員の安否確認や被災者の受け入れに当たりました。あの年は寒かったけど、雪が降らなかったので入浴に来てもらえた。ひと冬に7~10日は雪でコースを閉じますが、一度も閉鎖しなかったのは震災の年と今年だけです」

 -協会は三田署や市と災害時の協定を結んでいる。

 「各ゴルフ場にはカートや作業用車両の燃料を備蓄するため、ガソリンタンクがあります。そんなに大きくはないですが、災害時には寄せ集めて緊急車両に提供します」

 「市との協定は入浴以外にも、例えば避難所のような使い方をできないか、柔軟に対応したいと考えています。ゴルフ場は芝生に散水するため、水も豊富にあります。意外と災害時に使えるんですよ。支配人仲間に聞いても、行政とこうした協定を結ぶのは珍しいようです」

 -震災を機に、ゴルフ場の経営環境は激変した。

 「バブル崩壊で経営が苦しくなっていた時に、震災で客足はパタリと止まりました。その後もゴルフ人口の減少などで経営が行き詰まる事例が相次いでいます。この状況を変えるには地域や行政と手を組み、社会に役立つ存在になるしかないのです」

 「お金持ちや会員だけを見ていればよかったのは、過去の話です。震災はゴルフ場にとって、地域社会とのつながりの大切さを気づかせてくれた最初の出来事でした。風呂上がりにスッキリした被災者の表情は、今でも忘れられません」(高見雄樹)

【三田青年会議所の入浴バス】青年会議所の組織力を生かして被災者を支援しようと、当時の石井督昌理事長が震災4日後に実施を決断。1月26日~2月28日に神戸、西宮、宝塚の57避難所、のべ9672人が利用した。浴場を提供したのはゴルフ場のほか、あかしあ台2にあったマイカル(現イオン)の研修施設など17カ所に上った。各地の会議所メンバーや市民ボランティアも運営に加わった。

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