三田

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備え付けの液晶端末を剥製にかざすと説明が表示されるメルボルン博物館の展示
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備え付けの液晶端末を剥製にかざすと説明が表示されるメルボルン博物館の展示
来館者の求めに応じて多様な実験ができる展示室と一体となったクエスタコンのラボ
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来館者の求めに応じて多様な実験ができる展示室と一体となったクエスタコンのラボ
人と自然の博物館の橋本佳延主任研究員
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人と自然の博物館の橋本佳延主任研究員

 1月中旬にオーストラリアにあるさまざまな博物館を訪ね、先進的な展示・運営事例を学ぶ視察研修に参加してきました。

 オーストラリアでは来館者が展示物に関心を高められるように、さまざまな工夫が施されています。例えば、展示室内は暗めにして、標本にスポットライトを当ててその姿を際立たせ、展示テーマに合う色の間接照明で臨場感を演出しています。展示は標本やパネルなど動かないものだけで構成するのではなく「大型液晶パネルやプロジェクターを多用して動画を流す」「床面に木漏れ日や生き物の影に動きをつけて映し出す」などの要素が加えられ、いつも何かが動いているという空間を演出しています。展示室には動物の鳴き声、川の音などの環境音も流れていて、心地よいです。

 日本では博物館は学ぶ場所として捉えられがちですが、オーストラリアでは館内の至る所に遊び心が感じられます。天井近くの壁面といった“意表をつく場所”に配置された巨大昆虫模型、2階に突き抜けて大胆なポーズをとる恐竜骨格のレプリカ、壁面の穴をのぞくと新たな展示物の一面がわかる仕掛け…。一度に大勢が参加できる大型タッチパネルでのビデオゲームは、遊びながら科学の知識が自然と身につきます。このように「楽しい」をきっかけに「学び」へとつながる印象的な仕掛け、デザインが見られます。

 また寝転んだり床に座ったり、遊具のような展示物で遊んだりと親子で楽しく過ごせる場所も用意され、幅広い年代に「博物館=楽しい場所」と感じてもらえる工夫もあります。

 「今や知識の多くはスマートフォンで簡単に入手できる。それでは得られない五感を刺激する体験を提供することが重要」と話す現地スタッフの言葉には強く共感します。

 オーストラリアの社会は長時間労働をよしとせず、市民がプライベートな時間を大切にしている様子を滞在中に何度も見ました。多くの人々は博物館や公園、ストリートなどの公共空間でゆったりと過ごし、これらの質が生活の豊かさにつながることを実感しているようでした。日本でも博物館の良さを多くの人に実感してもらえるよう、施設内でのサービス提供に加え、ライフスタイルの変革をもたらす提案も積極的に行う必要があると強く感じています。

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