三田

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満開の中、てんぐ巣病でほうきのようになった枝=上槻瀬
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満開の中、てんぐ巣病でほうきのようになった枝=上槻瀬
市制施行40周年を記念した桜並木
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市制施行40周年を記念した桜並木

 兵庫県三田市内で桜が見頃を迎えた。ピンク色が鮮やかに野山を彩る「ソメイヨシノ」は、おおむね30年前に市内各地に植えられたとされる。人間で言うと30代は働き盛りだが、この種はちょっと病弱で、60歳ごろには枯れてしまう恐れがあるらしい。健康具合はどこで分かるのだろう。そこで樹木医の小西朋裕さん(51)に診てもらいながら歩く“お花診”巡りをしてみた。

■記念の桜むしばむ“病気”

 樹木医の小西朋裕さん(51)と次に訪れたのは、三田市上槻瀬。県道沿いの桜並木がピンク色に染まり、周辺に広がる田畑の新緑とコントラストが美しい。

 見上げると、花を付けずにほうきのように枝が密集している部分を見つけた。小さな若葉が何枚も出ていて、早くも散ってしまったのだろうか。すると小西さんは「これがソメイヨシノの難敵『てんぐ巣病』です」と険しい顔を見せた。

 てんぐ巣病は、水辺や高温多湿を好むカビの一種「タフリナ菌」が原因で、放置すると木が枯れてしまう。有効な治療法はなく、枝を切る以外に対策はない。切り落とした枝も感染源になりかねないため、焼却処分をしなければいけないという厄介な病気なのだ。

 この桜並木は以前にあった桜が枯れるなどしたため、約20年前に市が市制40周年を祝って植樹したものだ。市民が1本1万円で「植樹オーナー」となり、木の支柱にそれぞれステンレス製の記念プレートを掲げた。

 見ると、名前のほかに「長男誕生記念」「小学校入学記念」「退院記念」などと、人々が思い思いに記念日を記している。一人一人が将来への希望を重ね、桜の健やかな成長を願ったに違いない。

 「本当は、もっと木の種類を吟味しないといけないんです」と小西さん。ソメイヨシノは病弱で樹齢が短いため記念植樹には向かず、枯れると人々の思いを損なう「負の遺産」になりかねない。ただ当時、てんぐ巣病はあまり知られておらず、「市だけの責任ではなく、誰のせいとは言えない」とも話す。

 多くの枝がほうき状になってしまった桜木のプレートにはこう書かれていた。

 「結婚記念 二人の未来に夢をたくして…」

 早く治療法が見つかり、いつまでも満開の花を咲かせて、人々の思いをつないでほしい。(門田晋一)

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