三田

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人と自然の博物館の加藤茂弘主任研究員
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人と自然の博物館の加藤茂弘主任研究員
六甲山地と三田盆地の5万分の1地形地質模型。高さを水平距離の3倍に拡大し、南西から望む
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六甲山地と三田盆地の5万分の1地形地質模型。高さを水平距離の3倍に拡大し、南西から望む

 人と自然の博物館で働きはじめた1993年3月に、兵庫県の六甲山地の形成を長年にわたり研究された藤田和夫先生にお会いしました。自然地理学が専門の研究者であると告げると藤田先生は、「六甲山地はヒマラヤ山脈、その北にある三田盆地はチベット高原のようなものだ」と、六甲山地と三田盆地の関係をヒマラヤ・チベットになぞらえて、わかりやすく説明されました。

 阪神間の平野から六甲山地を見上げると、びょうぶのように切り立った断層崖が東西に続いています。その背後の三田盆地では、六甲の山並みを背に200~300メートルの高さになだらかな丘陵や台地が広がっています。地形の規模こそ大きく異なりますが、高さ800~950メートルの六甲山地を8千メートル以上の高峰が続くヒマラヤ山脈に、高さ200~300メートルの三田盆地をヒマラヤ山脈の北に続く高さ4千~6千メートルのチベット高原に、それぞれたとえられたのです。なるほど、言いえて妙です。

 ヒマラヤ山脈は、約2億年前以降に北上したインド亜大陸がユーラシア大陸に衝突して造られた大山脈です。チベット高原は、ユーラシア大陸の下にインド亜大陸が潜り込んで厚い二重の地殻が造られ、そのため隆起した大高原です。

 一方、六甲山地は、北麓を限る有馬-高槻断層帯や南・東麓を限る六甲-淡路島断層帯などの活断層の運動により隆起した小規模な断層山地です。三田盆地も、これらの活断層が原因となり造られました。六甲山地と三田盆地も、日本列島で四つのプレートがぶつかり合って地殻が東西に強く圧縮されていることが原動力となって造られており、ヒマラヤ・チベットと同じく地球規模の現象「動く大地」の現れです。

 95年1月17日には兵庫県南部地震が起こり、淡路島北部の野島断層に沿って、地面が長さ10キロにわたり最大1メートル弱の上下のずれ(段差)を生じました。この地震では、六甲山地も最大40センチほど隆起しました。京阪神を襲った一つ前の大地震、1596年慶長伏見地震(秀吉の地震)では、六甲山地が瞬時に1~2メートルも隆起したと推測されています。このような大地震も地球規模のプレート運動の一つであり、地球が生きていればこそ起きる現象です。それゆえ多数の活断層に囲まれた地域に暮らす私たちは、大地震の発生が必然であることを理解し、地震災害の軽減に努める必要があります。

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