三田

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ニッポンバラタナゴについて紹介する臨時展示のパネル=人と自然の博物館
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ニッポンバラタナゴについて紹介する臨時展示のパネル=人と自然の博物館
三田や神戸市北区のため池で見つかった個体には外来種の遺伝子がほとんど混ざっていない=人と自然の博物館
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三田や神戸市北区のため池で見つかった個体には外来種の遺伝子がほとんど混ざっていない=人と自然の博物館
三田市内のため池で見つかったニッポンバラタナゴ=人と自然の博物館
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三田市内のため池で見つかったニッポンバラタナゴ=人と自然の博物館

 川から池に引っ越していた!? 兵庫県立人と自然の博物館(三田市弥生が丘6)や三重大学はこのほど、九州を除く全国の河川で絶滅したとされる日本固有の淡水魚「ニッポンバラタナゴ」が、三田市内のため池で見つかったと明らかにした。近年になって西日本のため池7カ所でも確認されており、ため池にすみかを移したことはほぼ確実とみられるが、「安住の地」になったわけでもなさそうだ。(門田晋一)

 同館の高橋鉄美主任研究員(49)=魚類学=らの研究グループが4月に研究成果を専門誌で発表した。

 高橋主任研究員によると、ニッポン-はコイ科の小魚「タナゴ」の一種で、繁殖期にはオスの体がバラ色になるのが特徴。環境省が「絶滅危惧1A類」に指定し、県版レッドリストのAランクにもなっている。

 かつては本州や四国の河川で多く見られたが、汚染で生息できる場所が減った上、1940年代に中国から移入された「タイリクバラタナゴ」との交雑が進み、九州以外の河川で純系が姿を消したという。

 研究チームが三田市内のため池で見つかった個体のDNAを解析した結果、ほぼ純粋な遺伝子を持っていることが分かった。ため池では11年に神戸市北区でも発見しており、奈良市や大阪府八尾市、香川県でも確認されているという。

 川から移った背景については「人間の食糧難が関係したかもしれない」と指摘する。戦後の人々は淡水にすむ二枚貝「ドブガイ」を食用にしようとため池に放っていた時期があり、ニッポン-はこのドブガイの一種「タガイ」に産卵する習性がある。何らかの理由でため池に入った後、河川に比べて外敵が少ないため、個体数を増やしていった可能性が高いとみる。

 ただし、近年はため池でも、人が放ったブラックバスやブルーギル、コイ、フナに食べられたり、愛好家が乱獲したりして危機にさらされている。1996年にも三田市内の別のため池で発見の報告があったが、数年後に絶滅したとみられる。今回は個体を保護しながら調査を進めており、具体的な地名も明らかにしていない。

 高橋主任研究員は「今ある自然に手を入れすぎないことが希少な魚を守ることにつながる」と話す。

 同館では標本を展示し、パネルで論文の内容を伝えている。8月31日まで。午前10時~午後5時。同館TEL079・559・2001

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