三田

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実験車両の底部に取り付けられた「センサーバー」。近年、性能が飛躍的に上がったという=ゆりのき台6、神姫バス三田営業所
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実験車両の底部に取り付けられた「センサーバー」。近年、性能が飛躍的に上がったという=ゆりのき台6、神姫バス三田営業所
神戸新聞NEXT
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 客を乗せたバスが自動運転で、兵庫県三田市のニュータウン「ウッディタウン」を走り始めた。約1カ月の間、この街でどんな実験が繰り広げられるのか。夢のような技術は手の届くところにあるのか。最新技術を関係者に解きほぐしてもらった。5回にわたって紹介する。(高見雄樹)

 自動運転バスのシステムを作る先進モビリティ(東京)社長の青木啓二さん(72)は、自動運転の大事な機能として二つのポイントを挙げる。(1)決められた経路や速度で自動走行する(2)交差点で信号や障害物、対向車の動きなどを読み取って判断する-、という機能だ。まずは一つ目を詳しく聞いた。

 -自動運転バスはどうやって自身の位置を把握しているのですか。

 「位置を特定する技術は世界的に三つしかありません。おなじみの衛星利用測位システム(GPS)と、磁石を2メートル間隔で道路に埋める磁気マーカー、それにスラムです。スラムは屋内ロボットの技術で、距離情報でできた地図を自らが測った距離と照合して位置を割り出します。ただ、同じ形状のものが繰り返し出てくると弱いのです」

 -三田では磁気マーカーが主体になります。

 「背の高い街路樹にGPSの電波が遮られる上、街路樹が同じ形状に見えるのでスラムも難しい。一周6キロのほぼ全てに磁気マーカーを設置します。磁気マーカーでしっかり自動運転ができるのかが、三田の実験のポイントです」

 -磁気マーカーがあればGPSは不要ですか。

 「積み上げた信頼性があるので問題ないでしょう」

 -GPSには限界があると。

 「GPSだけで自動運転レベル3以上を実現するのは難しいでしょう。人が操縦の主体になるレベル2と、主体がシステムになるレベル3の間には雲泥の技術差があります。どういう手法でレベル3以上に対応させるのかが大きな課題です」

 -GPSの精度が低いのですか。

 「精度は十分なんですが、信頼性の問題です。1センチ単位の測位を保証できる環境が限られています。カーナビには使えるけど、自動運転用の高精度な測位情報は街路樹があると難しい。電波が強ければよいのですが、そのために多くの人工衛星を打ち上げるのは現実的ではないですよね」

 磁気マーカーは今年2~3月、ウッディタウンの市道に埋設された。同社商品開発室の部長として、全国各地の実証実験に携わってきた釘宮航(くぎみやわたる)さん(35)にはマーカーの特性を聞いた。

 -三田では磁気マーカーをたくさん使うのですね。

 「本年度に国内5カ所で予定される実証実験では最多です。他はコースの一部のみですから」

 -昔からありますね。

 「以前は大きくて強い磁石が必要でした。価格は高く、道路に埋める工事も大変。くぎなど道路上の金属を集めてしまう難点もあったのです」

 -進化したのですね。

 「バスの車体下部に取り付け、マーカーの磁気を読み取る『センサーバー』という機器の計測能力が上がりました。直径2センチほどの小さな磁石を道路に埋め込めばいいので、設置費用も下がっています」

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