三田

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英語や漢字、全ての文字を笑顔にする「笑い文字」。メッセージににっこり顔を添えることもある
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英語や漢字、全ての文字を笑顔にする「笑い文字」。メッセージににっこり顔を添えることもある
笑い文字について「渡して喜んでいるのを見て、私も笑顔になる」と話すますもとさん=三田市
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笑い文字について「渡して喜んでいるのを見て、私も笑顔になる」と話すますもとさん=三田市

 はがきいっぱいに書かれた「ありがとう」の文字。丸っこくて、目尻の下がった笑顔が文字の中に描かれ、それを見た人も思わず、にっこり顔になってしまう。「笑い文字」と名付けられ、不思議な力を持つこの文字に魅了された兵庫県三田市の女性が、多くの人に伝えて笑顔を増やそうと、作品を制作しながら希望者に指導を続けている。(喜田美咲)

 三田市に住む「ますもと・にこ」さん(43)。笑い文字のルールは至ってシンプルだ。文字全体を丸っこくし、「あ」などの丸いところに顔を描く。主に使うのは黒色の筆ペンで、赤い頬や濁点代わりのハートは赤色の筆ペンで塗る。

 自宅で書き方を教える教室を開き、市内外の団体に協力して全国に作品を届けている。市社会福祉協議会がコロナ禍で施設を出られない高齢者を元気づけようと寄付を募る企画を立ち上げると、協力者へのお礼状を作る役を買って出た。

 「自己肯定感が低く、これまで無理をして不器用な生き方をしてきました」

 笑い文字との出会いは2018年の冬。当時、心身の不調で疲弊し、アロマなどの癒やしを求めるようになっていた。本屋の年賀状に使えるイラストブックが並ぶコーナーで、たまたま見つけたのが笑い文字の本だった。その名の通り、文字全体が笑っている様子に心を引かれて手に取った。

 「最初は思うように書けなかったけど、失敗しても『なにこれ~』って思わず笑っちゃって」。気付けば心が穏やかになっていた。

 書き始めて少しした頃、京都のお寺で御朱印をもらったお礼に作品を渡してみた。「緊張したけれどすごく喜んでくれて、ずっと飾ってくれているんです」。言葉で伝えるのが苦手だった自分でも、文字にすることで素直に伝えられるし、人とつながれると思った。

 笑い文字を広めようと活動する「笑い文字普及協会」(東京)の会員が開く教室に通い、中級講師の資格を取った。約1年前から自宅で教室を始め、出張講座も手掛けるようになった。

 教室は感染対策で一時閉じていたが17日に再開し、生徒の要望に応じて自宅やオンラインで指導する。重視するのは「書く意味」を考えることだ。誰のために? 何のために?。顔の特徴になる「ひげ」や「眼鏡」を書くのはNGで、受け取った相手に笑顔の人を特定させず、気分次第で誰の顔にでも連想できるような作品作りを心掛けている。

 「笑い文字は書いて半分、渡して完成」。感謝の気持ちを書いて伝えると、思わぬ形で返ってくる。食事のお礼に飲食店に置いて帰ると、店内に飾ってくれて、それを見た客から連絡がくることもある。

 「感謝や喜びが循環する。コロナが収束したらイベントに出品して、またたくさんの出会いがあればうれしい」。そう言って、にっこりと笑った。

 「ありがとう」が書けるようになる初級講座は90分3300円。ひらがなや漢字、英語が書けるようになる中級講座文字編は3時間1万5400円。申し込みはメール25nico.k@gmail.com

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