三田

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骨製手おのの刃部に見られる微少な剥離痕(a)や線状痕(b)(佐野教授提供)
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骨製手おのの刃部に見られる微少な剥離痕(a)や線状痕(b)(佐野教授提供)
カバの大腿骨と骨製手おのを合わせたCT画像(諏訪名誉教授提供)
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カバの大腿骨と骨製手おのを合わせたCT画像(諏訪名誉教授提供)
骨製手おのが見つかったエチオピアコンソ村の地図(人と自然の博物館提供)
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骨製手おのが見つかったエチオピアコンソ村の地図(人と自然の博物館提供)
神戸新聞NEXT
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 今から約140万年前のエチオピアで、初期人類が動物の骨で手おの(ハンドアックス)を作っていた-。今回見つかった化石は、手の込んだ加工を施した骨製手おのとしては世界最古となり、骨を加工した道具が本格的に現れる時代から約100万年もさかのぼることになる。兵庫県立人と自然の博物館(同県三田市)や東京大学、東北大学、現地などの国際研究チームが、約25年にわたる調査の末、最新の機器で解析に挑んでいた。

 1996年、エチオピア南部のコンソ遺跡で、現地の研究者が、骨製手おのの化石を見つけた。居合わせたのが日本の研究チームだった。東京大学の諏訪元名誉教授(66)が、若手研究者らと遺跡を調べていた。

 「急いでメモにした。しかし、当時は解析技術も乏しく、すぐに学術的な価値は分からなかった」

 メンバーの一人で同館の加藤茂弘主任研究員(60)=自然地理学=が振り返る。何度も現地に赴き、化石に付着した地層成分が140万年前と特定できたのは、2014年のことだ。

 この間、打製石器の研究も進んだ。約260万年前に現れた人類初の石器と異なり、約175万年前に登場した石製手おのは形をきちんと意識して作られたのが特徴だ。ただ、約150万年間も作られ続け、その間を技術発達の「停滞期」とする見方もあった。

 それが、形状や加工は着実に革新していた。150~120万年前には加工が精密になり始め、初期人類の「ホモ属」は手おので木の根を切るだけでなく、動物を解体するようになっていたことも分かってきた。

 もしかしたら骨製手おのは技術力を見直すことになるんじゃないか-。14年、チームは再始動した。

 諏訪名誉教授らがコンピューター断層撮影装置(CT)で断面の形状などを分析し、カバの大腿(だいたい)骨の破片が素材と突き止めた。

 さらに東北大学東北アジア研究センターの佐野勝宏教授(43)らが最新のデジタルマイクロスコープで「刃」の部分を解析。石を打ち付けて加工した44カ所の痕を見つけ、刃の両面に動物の肉や骨をのこぎりのように引くなどした際にできる線状の痕を確認した。

 「この時代に人類が意図的に骨を加工していたことを明らかにできた」と佐野教授。「今回の手法は、他の骨製手おのの解析モデルになるのではないか」と手応えを語った。(門田晋一)

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