三田

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神姫バス次世代モビリティ推進室課長の中野悠文さん=姫路市西駅前町
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神姫バス次世代モビリティ推進室課長の中野悠文さん=姫路市西駅前町
実証実験のモニタールーム。車内の様子をリアルタイムで送信する技術の試験も進められている=三田市けやき台1
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実証実験のモニタールーム。車内の様子をリアルタイムで送信する技術の試験も進められている=三田市けやき台1

 客を乗せたバスが自動運転で、兵庫県三田市のニュータウン「ウッディタウン」を走り始めた。約1カ月の間、この街でどんな実験が繰り広げられるのか。夢のような技術は手の届くところにあるのか。最新技術を関係者に解きほぐしてもらった。5回にわたって紹介する。(高見雄樹)

 これまでの連載では自動運転バスの仕組みを見てきた。最終回は運行する神姫バス(兵庫県姫路市)の狙いを、同社次世代モビリティ推進室課長の中野悠文(ひろふみ)さん(42)に聞く。同社が自動運転バスを走らせるのは3回目。過去2回は小型バスによる小規模、短期間のものだった。初の本格的な実験となる今回、検証してみたいことは四つあるという。

 -なぜ三田で自動運転の実験をするのですか。

 「三田市のニュータウンを走るバス路線は、大阪や神戸への通勤・通学客を朝夕の限られた時間内に、いかに効率よく駅まで輸送できるかが重要でした。各住宅地から直接、駅に向かうルート設定になっています。昼間には、あまり出番がなかったのです。でもリタイアした世代が増えると、買い物や通院、習い事などでニュータウン内を移動するニーズが増えました。人手不足の中、こうした要望を自動運転で解決できるのでは、と考えました」

 -1周6キロの実験ルートは、従来のバス路線にはなかったのですか。

 「既存のバス停をつないで初めて作りました。今後は商業施設の安売り情報とバスの運行情報を住民にセットで提供すると、移動ニーズは増えるのか-など、まちづくりの視点からも検証を進めたいです」

 -住民の反応はどうでしょうか。

 「自動運転が地域に受け入れられるのか-。四つのうちで最も大きな検証ポイントです。『今のバスでええやん』という意見が大多数だと思います。『大丈夫なんかいな』という不安に、どこまで『それでも便利やな』と思ってもらえるのか、アンケートを通じて把握したい。もちろん、全てを自動にはしません。人間がサービスの質を磨き上げる分野と、自動化できる部分を見極めたいのです」

 -地域ニーズの変化と自動運転の受け入れ。あと二つの検証点は何ですか。

 「モニターで車内の状況をチェックする監視員の守備範囲など、運営面や安全性の確認です。最後の四つ目は運賃の頂き方。実用化されると、運賃箱はなくなるでしょう。顔認証を含めた生体認証が有力になると見ています」

 車内の映像を監視員まで瞬時に伝えたり、あらかじめ登録した人が顔認証で乗降できたりするシステムが今回の実験で試されている。この分野で世界トップ級というNEC(東京)の技術だ。同社の須藤明久マネージャー(52)に聞いた。

 -市民センター内のモニタールームには車内の鮮明な画像が映されています。

 「バスの走行によって通信環境は良くなったり悪くなったり、刻々と変化します。その中でも滑らかにデータを送るので、映像が途切れません。建設機械の自動運転用に開発した最新技術です。口論など車内の大きな音を検知するセンサーを組み合わせ、無人でも安全な空間を作ります」

 -顔認証について、バスならではの難しさは。

 「空港や駅の改札は光の差し方が安定していますが、バスはいろんな場所に止まるので難しいですね。長期間の実験は初めて。次は顔認証を基に、お金をやりとりする決済機能を付けてみたいと考えています」=おわり=

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