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インタビューに応じる三田市民病院事業管理者兼院長の荒川創一氏=三田市けやき台3
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インタビューに応じる三田市民病院事業管理者兼院長の荒川創一氏=三田市けやき台3

 新型コロナウイルス感染症の入院患者受け入れを7月末に公表した三田市民病院(兵庫県三田市けやき台3)。院内感染の防止を徹底し、外来や救急など地域の基幹病院としての機能を維持し続けている。専門家による県の「新型コロナ対策協議会」座長も務める荒川創一院長(68)に、病院の状況や市民へのメッセージを聞いた。(聞き手・高見雄樹)

 -入院受け入れを公表した理由は。

 「患者さんの受診控えなどで、4月中旬以降は病院が混雑する状況ではなかった。一方、6月から診療活動が通常に戻った。混雑時に感染防止の協力をしてもらうためにも、現状を伝えたいと思った」

 -どんな患者を受け入れているのか。

 「軽症で入院が必要な人だ。周辺自治体からが中心になる。重症者は感染症指定医療機関が担い、機能を分担している」

 -院内感染を抑えられた要因は。

 「コロナが疑われる患者と一般患者を分離し、医療者の個人防護具を適切に使うこと-の徹底が、今のところ実っている。2月から人の動線や病室、外来診察室などを明確に分離した」

 -分離できるレイアウトになっていたのか。

 「この病院は築25年。感染症の拡大防止という発想がない時代の建物だ。幸い、2009年の新型インフルの経験が生きた」

 -動線以外では。

 「救急外来で肺炎がある人は必ずPCRの検体を採取し、結果が出るまで隔離した。部屋から外への空気の流れを止め、完全防護したスタッフが対応。対象は100人以上に上った。スタッフの負担は大きかったが、徹底することで大きな感染防止効果があった」

 -防護具の不足は起こらなかったのか。

 「危うい状況はあったが、市民からのマスクをはじめ多くの寄付に助けられた。何とか乗り切ったという状況だ。マスクなどは安全な形で複数回使ったが、危険な使い回しはなかった」

 -一番きつかったのは。

 「4月半ばから後半。入院患者が増え、緊張感が強かった」

 -病院経営への影響は。

 「4~6月の医業収益は前年同期比3億円減った。赤字だ。7月以降、外来と入院が持ち直したが、年間の黒字化はまず無理だ」

 -赤字の穴埋めは。

 「行政に求めている。安全に入院してもらうには空き病床が必要で、どうしても収入減となる。補助がないと経営は立ちゆかない」

 -09年の新型インフルと違う部分は。

 「インフルは外来診療のみで、入院患者を受け入れる病室の問題まで至らなかった。今回は入院への配慮が必要になった。ここが最も大きな違いで、われわれにとって厳しい点だ」

 -感染が再拡大している。市民に伝えたいことは。

 「統計的に40代までの健康な人は重症化することが少ない半面、年齢が上がるほど重症化しやすい。がんや糖尿病などの基礎疾患がある人も重症化の懸念がある。まずは重症者を出さないこと。無症状保菌もあるので、対面時のマスク着用と手指の消毒、換気という基本を忘れないように心掛けてもらいたい」

 -診療体制への不安はないのか。

 「救急は当院の一番の使命。4、5月も縮小しなかった。断らないという原則を貫くので、必要な時には安心して利用してほしい」

 -大阪と行き来する三田市民は多い。感染拡大のリスク要因になるのか。

 「社会経済活動において、大阪との行き来をゼロにはできない。基本的な感染対策さえ怠らなければ、大きな問題は生じないだろう。三田で頻発している状況でもない。感染防止への市民の意識は高いと感じる」

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