三田

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海外の街並みや生き生きとした花を描いた水彩画など約50点が並ぶ=市総合福祉保健センター
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海外の街並みや生き生きとした花を描いた水彩画など約50点が並ぶ=市総合福祉保健センター

 脳卒中やけがの後遺症で読む、聞く、書く、話すことが困難になる「失語症」は、外見から理解しづらく「見えない障害」と呼ばれる。その当事者たちが、リハビリを兼ねて手掛けた美術作品を展示する「ゆめひろば展 インさんだ」が三田市総合福祉保健センター(兵庫県三田市川除)で開かれている。言葉で表現することが難しくなっても、描くこと、作ることで思いを伝える。「作品が、私たちのメッセージ」。27日まで。(喜田美咲)

 ひまわりの花、クローバーの葉に注目し、グラデーションで色彩の変化を描く。ビルの合間を路面電車が走るポルトガルの街並みを細やかに捉える。そんな水彩画のほかにも、陶芸、絵手紙…。ちぎり絵では、フクロウをふっくらとかわいらしく仕上げる。会場には約50点が並び、メンバーら17人がそれぞれに今できることの楽しさや喜びを伝えている。

 NPO法人「言語障害者の社会参加を支援する会 しゃべろーよ」が主催し28年目。同法人が運営する就労支援事業所「トークゆうゆう」(同市三田町)では、失語症の人たちがパンの製造販売や工場から請け負う部品製造などをして就労訓練を続けている。

 失語症は思うように会話ができないことで人づきあいに消極的になり、引きこもってしまう人も多い。それでもメンバーは絵画を趣味にしたり、初めて家族の顔を描いたりして、明るさや前向きな気持ちを取り戻しつつあるという。

 京都府立医大の言語聴覚士、三田村啓子さんは「絵で何かを伝えるというコミュニケーションはリハビリに有効なだけでなく、絵を見せ合うことなどを通じて仲間と付き合う手段にもなり、生きる喜びにつながる」と効果を指摘する。

 同事業所の理事長田中昌明さん(73)も脳卒中で失語症になった一人だ。「多くの人に見に来てほしい」と話し、同じ境遇にある人たちに「家から出よう。仲間になって一緒に頑張ろう」と呼び掛けている。

 無料。午前10時~午後4時。25日には同センターの多目的ホールで茨城県立医療大学付属病院の大田仁史先生の講演や同事業所メンバーによる楽器演奏が披露される「ゆめひろば交流会」(定員100人。1人500円)も開く。

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