三田

  • 印刷
畦道に1輪だけ咲くタチアオイと前仁司さん=三田市貴志
拡大
畦道に1輪だけ咲くタチアオイと前仁司さん=三田市貴志
梅雨時期に咲いたタチアオイ=三田市貴志
拡大
梅雨時期に咲いたタチアオイ=三田市貴志

 アオイ科の多年草「タチアオイ」は花の咲き具合で梅雨の入りと明けを知らせると言われるが、兵庫県三田市貴志の田んぼの畦(あぜ)に、梅雨どころか猛暑を経て、さらに立冬を過ぎても咲き続けている1輪がある。ど根性大根ならぬ「ど根性タチアオイ」? 濃いピンクの花を見て思った。そんなに頑張って何を待っているのだろうか。(喜田美咲)

 タチアオイは空に向かって細い茎を伸ばし、梅雨入りになると下の方から赤やピンクの花を咲かせ始める。次第に上へ上へと花をつけ、てっぺんで咲いたら梅雨が明け、下の方から枯れていくとされる。

 見ると、直径10センチ近い花が1輪だけ茎の頂に咲いていた。茎は高さ1メートル以上もあり、風が吹くたびにユラユラと揺れて折れないか心配になる。確かに、必死に踏ん張っているみたいだ。

 田んぼを持つ前仁司(まえひとし)さん(75)が17年前から畦や庭で100本近くを育て、1本には最大で30個ほどの花がなるという。今年は長梅雨といえども期待を裏切らずに成長し、梅雨明けに伴って徐々に枯れ始めた。しかし、1輪だけがいつまでも咲いているため、添え木をして見守ってきたという。

 「こんなに咲き続けるのは初めて見た」と舌を巻く。11月に入って県内で最も厳しい三田の冷え込みが始まり、花はついにしぼんでしまった。それでも最近、傍らに新たなつぼみをつけ、再びてっぺんで別の1輪が咲き始めたというのだ。

 それを見ながら、前さんが言った。「今年はコロナ禍でまちは閑散として、地域の祭りも中止になって、何かとさみしくなることが多かった。そんな中、この花の『ど根性』に元気をもらえたんよ」

 梅雨は明けても、なかなか明けないコロナ禍で、狂い咲きの花が人の気持ちを明るくさせていた。

 「コロナ禍が明けるのを待っているんでしょうか」。記者が言うと、前さんが「そうだねえ」と花笑(はなえ)んだ。

三田の最新
もっと見る

天気(12月1日)

  • 15℃
  • 9℃
  • 20%

  • 14℃
  • 6℃
  • 40%

  • 15℃
  • 7℃
  • 0%

  • 16℃
  • 6℃
  • 10%

お知らせ