兵庫県三田市の檜垣信昌さん(81)宅に咲く皇帝ダリアが満開だ。高さはなんと約5メートル。中南米を原産とし、温暖な気候を好むことから「三田で育てるのは難しい」と、かつて近隣住民から譲り受けた芽を大切に育てた。「希望する人に芽を分けたい」と呼び掛ける。(喜田美咲)
大輪の花が空に向かって広がり、風に揺れた。空の青と花びらの淡いピンクのコントラストがよく映える。
20年ほど前に引っ越してきたご近所さんが「三田に来たら寒さで育ちにくくなった。お手上げや」と皇帝ダリアを譲ってくれたのがきっかけで育て始めた。初めは育ちにくかったものの、実家がある愛媛県の伯方島に持ち帰り、瀬戸内の温暖な気候である程度育ててから三田に戻したところ、育つようになったという。自宅の庭で2本から育て始めて15年。今や20本ほどが咲く。
茎は9月ごろからぐんぐん伸び、11月から12月中ごろの霜が降りる時期まで花をつける。見頃を終えて枯れても竹のように節のある茎を、根元からひと節ほど残して切っておいたり、ひと節の茎を横倒しで土に埋めたりしておくと、そこから新たな芽が生えてくる。
年々高く伸びているといい、風で倒れないよう、茎は家の一部とひもでくくりつけている。
今秋は暖かい日が続いた影響もあり、いつにもまして大きく育った。近頃は市内でも皇帝ダリアを育てる家を見掛けるようになったという。「淡い色がきれいで、遠出しなくても花見が楽しめる。大きくなっても育てられる覚悟のある人にはお裾分けします」。檜垣さんTEL079・567・2022
