三田

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「一緒にいる時間が増えて、けんかも増えたけど、働く姿を見られるのは新鮮。子どもとの時間も増えた」と笑う西岡夫妻=小野駐在所
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「一緒にいる時間が増えて、けんかも増えたけど、働く姿を見られるのは新鮮。子どもとの時間も増えた」と笑う西岡夫妻=小野駐在所
小野幼稚園からもらった手作りのカレンダー(左)と住民からもらった書道作品=小野駐在所
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小野幼稚園からもらった手作りのカレンダー(左)と住民からもらった書道作品=小野駐在所
西岡裕太巡査長
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西岡裕太巡査長

■小野駐在所 西岡裕太巡査長

 京都府宇治市出身。「京都も寒いですが、(管轄の)母子は極寒ですわ」。快活な笑顔を見せるのは、小野駐在所(兵庫県三田市小野)の西岡裕太巡査長(34)。神戸市での10年近い刑事生活を経て、一昨年に着任した。三田で身に付いたのは「人情」ときっぱり。

 警察官に密着するテレビ番組で魅了され、高校卒業とともに警察の道へ進んだ。兵庫署で交番勤務を経て、刑事1課に5年在籍した。万引、けんか…。そして年に1回は殺人事件も起きる多忙な日々。次の神戸西署では刑事2課になり、暴力団対策や特殊詐欺事件に当たった。

 そんな生活が一転、駐在所は「逮捕の糸口を見つける、ある意味『あら探し』のような日々とは真逆というか、全く違いました」。

 勤務中にこんな声を掛けられる。「スイッチ(ゲーム機)買ってや」「これ(無線機)何に使うん」

 まさか恐喝? ではない。冗談交じりに言ってくるのは、駐在所の裏にある小野小学校の子どもたちだ。約45人と児童数が少なく、登下校を見守っていると互いに顔を覚えるようになった。先生からも「この子たち、けんかしちゃって…」と、その日の出来事を教えてもらうこともあり、地域全体で子どもの成長を見守っていると実感している。

 地域に目を配る中、刑事の勘が光る日もあった。事故処理で免許証を受け取ると、違和感を覚えた。よく見ると色が少し違う。思いがけないタイミングで偽造免許を見つけた。他の駐在所員と協力して進める捜査にも、やりがいを感じる。

 小野では警察官でもあり、一住民でもある。地域の寄り合いに参加したり、区長さんと地域の安全について考えたり、仕事を超えたつながりもできた。

 今一番悔しいのは、感染症対策で小学生たちの卒業式に出られないこと。「毎日会っていて、節目に立ち会えないのは寂しいですね」と肩を落とすが、「大きくなったら警察官になりや~」と声を掛け、日々の見守りで門出を祝う。

 最近、地域の住民から「極心」と書かれた書道作品を贈られた。広辞苑(こうじえん)をめくると意味は「心をこめてすること」とある。「今の私に足りないものを言ってくれたのかもしれません」と照れたように笑う。

 「また刑事課に戻ることがあっても、ここでの日々を忘れず、一人一人と大切に向き合っていきたいです」(喜田美咲)

    ◇

 交代制の交番と違い、警察官がそこに住みながら働く「駐在所」は三田市内に7カ所ある。家族で暮らすところも多く、まさに地域密着で街の安全を守る。それぞれの「駐在さん」を紹介する。

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