兵庫県三田市は子どもの貧困対策に本腰を入れる。子ども食堂の食材調達や新型コロナウイルス対策などを支援するほか、中学生を対象にした学習支援にも注力する。「子どもの貧困対策推進プログラム」を2021年度から本格化させ、22年度には5年ぶりの実態調査も予定している。
市内6カ所の子ども食堂向けには、コロナの感染防止につながる物品を支給する。昨年12月に市が意向を聞き取ると、食事会場のアクリル板を求める声が多かった。2月上旬までに5カ所に配備する。
1施設当たり5万円程度を上限に、必要に応じて体温計や消毒液の噴霧器なども購入してもらう。財源には新型コロナ対策として市が立ち上げた「さんだエール基金」を充てる。
子ども食堂の食材は運営する各団体が調達している。安定供給や負担軽減のため、21年度から市が窓口となり、JAやスーパーなどからの調達ルートを確保する。市民から提供された食材も取りまとめる。
生活保護や低所得世帯の子どもには、生活困窮者自立支援法に基づく学習支援を昨年10月に始めた。家庭教師派遣大手で、個別指導塾も運営する「トライグループ」に年間約150万円で事業を委託。中学2、3年生8人に週1回2時間、少人数制で学習指導を進めている。
子育て世帯の経済状況の実態調査は17年度、小学4年~中学3年生の子どもがいる家庭を対象に初めて実施した。2回目の調査では当時の小4が中3となり、経年比較が可能になる。より詳しい結果分析と、政策立案への応用が期待される。(高見雄樹)
