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 兵庫県三田市が12日に発表した2021年度当初予算案は、新型コロナ対策とともに収束後を見据えたまちづくりに力点を置いた。コロナ禍で市税収入が前年度比3%落ち込むなど厳しい財政状況の中、必要な施策を選別。一般会計は同1・7%増、特別・企業会計を合わせると同0・1%減と、前年度並みの規模に着地した。

 一般会計の歳出は、幼稚園への空調設置などコロナ対策に8500万円を計上した。この1年間で11回、総額20億円のコロナ関連補正予算を編成しており、21年度も当初予算に上乗せして切れ目なく対応する。

 コロナ後も見据え、デジタル技術で農村地域とニュータウンの課題を解決する「さんだ里山スマートシティ」に5200万円を計上。次世代の移動手段の実証実験や、市役所の電子申請などを進める。

 歳入は個人・法人市民税が前年度比5億7千万円減の76億8千万円にとどまる。人口減に加え、コロナ禍で仕事を失うなど家計への影響が深刻化しており、納税義務者が前年度に比べて500人減の5万7800人に落ち込むことが響く。固定資産税などを含めた市税収入の総額は170億5千万円で、前年度から約5億円減る。

 歳入の減少を借り入れで補うため、市の借金に当たる市債の新規発行額は41億300万円と前年度比43・7%増える。クリーンセンターの設備改修費用の財源に、21年度から市債を充てる。貯金に当たる財政調整基金の取り崩しは5億円で、前年度から約2億円増える。市の基金全体の21年度末残高は、20年度末から6億2千万円減の59億9千万円を見込む。

 同日会見した森哲男市長は、(1)コロナを乗り越える(2)三田の再生(3)人口減少に負けないまち-が予算案のポイントと説明。「予算規模はかなり絞り込んだが、ある部分では積極的に事業を打つなど、めりはりのある内容になった」と話した。

(高見雄樹)

■主な事業 感染症対策とまち再生両立

 三田市が発表した2021年度当初予算案は、新型コロナウイルス感染症対策を進めつつ、まちの再生や暮らしの安心にも重点配分する。40項目に上る新規・拡充施策の中から、日々の暮らしに関連の深い10事業を紹介する。(小森有喜、高見雄樹)

◆子育て支援・教育

 【妊婦健診の助成額引き上げ】妊婦の健康状態を確認する検査費用の補助上限額を引き上げる。妊娠1回につき、従来の8万5千円から9万円となる。20年度の制度利用者は592人(12日時点)だった。

 【産婦健診への助成】産後2週間~1カ月程度の母親を対象に、産後の回復や授乳、精神状態を確認する「産婦健康診査」の受診費を補助。産後うつや、新生児への虐待を防ぐ。1人1回限りで上限5千円。

 【待機児童対策】定員の弾力運用の基準を満たした保育施設に対し、受け入れ人数1人につき20万円を補助。また新卒採用予定者に就職準備金を支給する施設に対し、1人につき10万円を補助する。

 【タブレットを利用した学習を推進】20年度に児童生徒1人につき1台を整備したタブレットに総合型学習アプリを導入。さらにオンライン学習に必要な通信回線を新たに整備した対象世帯を支援する。

◆新型コロナ対策

 【幼稚園遊戯室に空調】三田、三輪、広野の大規模市立幼稚園で、遊戯室に空調設備を導入する。給食時に広い部屋を使うことでコロナ感染を予防するほか、夏の熱中症対策としての効果も見込む。

 【健診のウェブ予約】年間約8千人が受診する特定健診やがん検診にウェブ予約システムを導入する。予約開始日には総合福祉保健センターの窓口に行列ができており、接触機会を減らして感染拡大を防ぐ。

◆産業

 【イベント再構築】三田まつりや農業まつりなど、市が関わる年10回のイベントを「食と文化」の切り口で再編する。従来は単発でPRしていたが、季節ごとに魅力を訴える手法でブランド価値を高める。

 【持続可能な交通ネットワーク】昨夏にウッディタウンの公道で実施した自動運転バスの実証実験に続き、次世代交通手段の実験を計画する。地域住民による乗り合い交通に、効率的な予約システムも導入する。

◆暮らし

 【認知症患者の損害賠償責任保険料を負担】認知症の人が日常生活での不慮の事故で賠償責任を負ってしまう場合に備え、市が保険に加入する。市内の認知症患者は少なくとも約2200人いるとみられる。

 【三田駅前の再開発】三田駅南側の市街地再開発事業で最後に残ったCブロック(約1・9ヘクタール)について、商業施設の設計を担う施工者への補助金など事業費2億8800万円を盛り込む。

■視点 2期目折り返し、改革の成果注目

 ちょうど1年前、2020年2月12日に発表された三田市の20年度当初予算案。目玉は「ニュータウンの再生元年」だった。

 当時、新型コロナウイルスはクルーズ船内の感染拡大が伝えられたが、世の中は楽観ムードが支配していた。国内の感染者は乗船客を中心に203人だった。

 1年後の今、感染者は41万人を超えた。経済への打撃は大きく、21年度当初予算案では市税収入が大きく落ち込む。その中で森哲男市長が示した目玉が「里山スマートシティ元年」だ。

 デジタル技術を使ってまちの課題解決を目指すスマートシティーは各自治体が競って取り組むが「流行に乗っているのではない」と森市長。ニュータウンと農村地域はそれぞれ高齢化、過疎化が急速に進み、駅前の活性化も待ったなしだ。「海はないけど、三田は兵庫県、そして日本が直面する課題の縮図。デジタルの力を借りて解決策を見つけたい」と語る。

 森市長は今年8月、2期目となる4年間の任期が折り返し点を迎える。数々の行財政改革を進めてきたが、改革の果実を残り2年間でどう取り込むのか-。市民が味わえる収穫手法に注目したい。(高見雄樹)

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