兵庫県三田市教育委員会はこのほど、同市の斉藤秀夫さん(65)に感謝状を贈った。長年、すずかけ台小学校の美化活動に個人で協力しており、「好きなことで喜んでもらえるなら、まだまだ頑張ろうかな」と笑顔を見せた。(喜田美咲)
贈呈式では同校の校庭に全校児童約420人が集まり、感謝の気持ちで大きな拍手を送った。
斉藤さんは、「スポーツクラブ21すずかけ」の会長を務め、自身もソフトボールチーム「ウッディファイターズ」に所属している。チームの練習で同校の校庭を借りていることもあり、約15年前から草を刈ったり、水はけをよくするために土をよけて溝を作ったり、と自主的に整備に取り組んできた。
そのうち、年季が入った校舎周りのタイルが気になり始め、自前の高圧洗浄機を使って個人的に磨きに来るようになった。平日の仕事終わりや休日に1人黙々と。洗浄具合を変えてタイルの色に濃淡を付け、地面に星や幾何学模様を描く遊び心で、児童や教員らを楽しませてきた。あまりのうまさに元々あった模様だと勘違いしている人も少なくないという。
運動会前は校庭を、卒業式前は校門近くをと季節によって美化する重点箇所を決めているといい、「自分のペースでやっているのでお金の掛からない趣味みたいなものです」と笑う。
学校や向かいにあるすずかけ台公園=すずかけ台4=での清掃活動のほか、連合体育大会やドッジボール大会の前はボールの投げ方の指導に当たったり、ゲストティーチャーとして同校の授業に招かれ、ボランティア活動を紹介したりし、児童らと親交を深めてきた。
贈呈式の後には、すずかけ台公園の池にボールを落とした時、斉藤さんに拾ってもらったという6年生の児童がお礼の手紙を渡し「池の近くは危ないと注意してくれてありがとうございます。おかげで周りを見て遊ぶようになったし、友だちにも注意を呼び掛けています」と伝えた。
斉藤さんは「みんながやらないことをするのが好きなだけなんやけど、感謝の言葉がもらえてありがたい」と顔をほころばせた。
