詩作、自由にユニークに 広野小の2年生が挑戦
2021/03/01 07:00
「書いてみよう」。合図とともに黙々と鉛筆を走らせる児童=広野小学校
思わず顔がほころぶ。日記のように自由でユニークな詩を兵庫県三田市立広野小学校(同市上井沢)の2年生が次々に生み出している。(喜田美咲)
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■へんな兄ちゃん
なんで べんきょうをしているときだけ
「めんどくさい。」
と言うのに ゲームをしているときは しゅう中しているの 数元太一
■おすし 大すき
コーン あまい
いくら ぷちぷち
赤えび ぷりぷり
茶わんむしには かにが入っていたよ
うどんは 妹と半分こ
ポテトはカリカリ
毎日食べたいな 大槻虹心
季語はなくていい。見たり、聞いたり、考えたりしたこと、自分のこと、家族のこと、友だちのことをありのままに書く。ただし、人の悪口や嫌な気持ちになることは禁止。昨秋に始めて4カ月。児童は好きなときに詩を書いて先生に見せに来るようになった。
「さあ、何を書いてもいいよ」。先生の呼び掛けに、ざわざわしていた教室が静まり返った。迷いなく黙々と鉛筆を走らせる子もいれば、書いては消してを繰り返して熟考する子もいる。習い事のことから兄弟のことまで内容はさまざまだ。
昨秋、上山秀樹先生が担任として着任し、月に1回ほどは書く時間を設け、週に1回は、友だちの詩をみんなで読む。時には有名な詩を声に出して読んだり、別の子どもの作品を挙げて「この詩に合う題はなんだろう」と考えたりする機会もつくってきた。
「自分の気持ちに正直に、素直になる。子どものひとりごと、つぶやきは、それだけで詩になっている。それと、読んでくれる人がいることが重要」
産休に入った前任の先生から赤ちゃんが生まれた知らせが届いたときには、みんなでお祝いの詩を書いた。
■にてるのかな
先生に にてるのかな
わたしの弟に にてるのかな
わたしの弟は こぐまだったんだよ
ときには かいぶつだったよ
男の子は そうなんだよ
うまれたら かわいいけど
大きくなったら いたずらするよ
先生 おめでとう!
この詩を書いた田坂真純さん(8)は「家族の詩はすぐに思い付くの。誰のまねでもない自分だけの詩ができるから面白い」と気持ちよさそうに笑った。
上山先生は詩の指導を30年以上続ける。その間に小学校でもプログラミングや英語の授業が増え、時間は限られてきた。それでも児童が授業で考えたり、自主的に書いてきたりした作品は学級通信で保護者や他の教員にも見てもらうことを続ける。
「保護者の皆さんや他の先生も、子どもたちがありのままの『思い』を乗せた詩を通して、児童それぞれの個性や気づいていなかった一面に触れてみてほしい」
◇ ◇
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