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国道176号沿いで満開=三田市加茂
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国道176号沿いで満開=三田市加茂

 兵庫県三田市内でフジの花が見頃を迎えている。同市加茂の国道176号沿いののり面や東本庄の農道など、至る所で咲き乱れ、道行く人の目を楽しませている。あふれんばかりの花数は圧巻だが、こんなに各所に咲いていたのか。三田に赴任して1年がたった記者も、ようやく花に目を向ける余裕ができたのかと思ったが、どうやらフジ自体が近年増加傾向にあるらしい。調べてみると、人間の営みが深く関わっていた。(喜田美咲)

 フジはマメ科の植物で、野山に自生する。4~5月に花を咲かせる。

 国道沿いのフジは、5メートルほどの高さにも花を付けており、空から降りかかるシャワーのよう。淡い紫の花びらが揺れ、甘い香りを漂わせている。ドライバーの目を楽しませるだけでなく、香りに誘われた虫たちも集まってきていた。多くの花が見られる理由を県立人と自然の博物館(同市弥生が丘6)に尋ねた。

 対応してくれたのは、植物生態学が専門の小舘誓治研究員(59)。小舘さんによると、このように多くのフジが見られるようになったのは昭和30年代の燃料革命以降だという。

 フジは他の木につるをはわせ、上へ上へと伸びていく。巻き付かれた木は、表面近くにある養分や水の通る管が締め付けられたり、葉の上に陰ができ、光合成の機能が低下してしまったりして弱っていく。「周りを利用してコストをかけずに登っていく。賢い生き方ですよね」と小舘さん。

 木材が燃料の主軸だった時代は、人々が山に入り、適度な剪定(せんてい)がなされていた。しかし、石油や電気に中心が移り、次第に人の手が入らなくなった。大量のフジが見られるようになったのはそのバランスが崩れ、数百年をかけて新たな均衡に向かう途中だからだという。

 小舘さんは「フジが目立つようになった理由を考え、人が山に入って木々を循環させていた時代に思いをはせてほしい」としつつ、子どもたちにとっては自然に触れられるいい機会だとして「きれいな花を見て、咲き方や集まる虫をじっくり観察してみて」と呼び掛けていた。

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