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先輩の一行詩を読んで感想を話す生徒ら=三輪会館
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先輩の一行詩を読んで感想を話す生徒ら=三輪会館
生徒の話に耳を傾ける後藤さん=三輪会館
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生徒の話に耳を傾ける後藤さん=三輪会館

 通信制のクラーク記念国際高校三田キャンパス(兵庫県三田市高次1)の1年生23人が2日、姫路独協大学(同県姫路市)などで国語を教える後藤桂子さん(63)=同県福崎町=の特別授業を受けた。テーマは「こころを開く表現活動」で、取り組んだのは「一行詩」。生徒らは、後藤さんから助言を得ながら、普段思っていることを短い文にしたためた。(喜田美咲)

 一行詩は、家族や友人らに向けたメッセージ。短歌や俳句のように決まった形式はなく、1~3文程度で書く。

 同キャンパスには三田市や阪神間から生徒が通う。不登校を経験したことのある子や、全日制高校の生活に合わず編入してきた子、家庭の事情などで働きながら学んでいる子らがおり、勉強だけでなく、農業や福祉の実習など興味のある分野を選択し、学びを広げている。

 入学から約2カ月が経過した1年生に、自分のペースで今の思いを表現してほしいと、同校が特別授業を企画した。

 後藤さんは約30年間、女子高で国語教師を務めた。3年生を受け持ったある年、従来と違った卒業文集を作ろうと考え、一行詩に取り組んだ。生徒らと詩をやり取りする中、1人の教え子から詩が返ってきた。「一行詩にだけ、素直になれた」

 生徒との文字を通した交流で、後藤さんは一行詩を「いのちの言葉」と位置づけるようになった。2012~18年には同キャンパス(当時は三田分室)でも教壇に立ち、19年には生徒たちの作品や活動の記録をまとめた著書「わたしが素直になれるとき」を出版した。

 この日の授業ではまず、同キャンパスの卒業生らが紡いだ詩を、1人ずつ音読した。

 目覚ましよりきく母の声 おかげで卒業できます。

 あの朝、言えばよかった「いってらっしゃい、お父さん」と

 生徒は詩を読んで感想を発表し合った。「日常を大切にしようと思った」「今の自分がいるから過去を振り返れるんだ」などの声が上がった。後藤さんは「詩を書いてすぐに気持ちが変わるわけじゃなく、ここがスタート地点。言葉で自分の気持ちを整理してみて」とアドバイス。最後は、生徒自身に詩を書くよう促した。

 手を伸ばす 自ら動く いつかは前に進めるだろう 身を任せ たどり着いた場所 悔いはない

 そう書いたのは松田颯汰さん(15)。小中学校時代、不安障害に悩まされたが、仲間に出会い、小説を書く夢を励まされた。完成が近づいた時、前を向けた気がした。「夢に出合えたのも、周囲の支えで不安を乗り越えられた過去があるから」。今は、仲間を支えたいと思う。

 今井陽斗さん(15)は、勉強も趣味で漫画を描くことも「やる必要がない」と途中でやめてしまいがちだった。少しずつ「目標を決めて生きた方が楽しいかもな」と思うようになったといい、言い聞かせるようにペンを走らせた。

 自分よ、面倒くさいと思わずにやってみろ

 書いた後、「詩を書いてすっきりした」と笑顔を見せた。

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