三田

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生野賢司研究員
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生野賢司研究員
アンモナイトの化石(左)とその断面
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アンモナイトの化石(左)とその断面

 梅雨の時期の動物というと、カタツムリを思い浮かべる方が多いかもしれません。今回は、ぐるぐる巻いた殻を持つ貝のお話です。

 「でんでんむしむし かたつむり」と童謡に歌われているように、カタツムリは最も身近な貝類の一つと言えるでしょう。一方、私が研究しているアンモナイトは化石でしか見つからず、生きている姿を観察できないため、どんな生物だったのかはあまり知られていません。

 カタツムリとアンモナイトはどちらも軟体動物に含まれますが、細かく分類するとそれぞれ別のグループの動物です。「カタツムリ」という語は陸上に生息する巻き貝の総称で、その中でも丸みのある殻を持つ種類を指して使われるのが一般的です。巻き貝の仲間は専門用語で「腹足(ふくそく)類」というグループを構成していて、食卓にのぼる種類ではサザエや、いわゆるツブ貝(エゾボラなど)が含まれます。

 巻き貝の仲間であるカタツムリに対して、アンモナイトは「頭足(とうそく)類」というグループに含まれる動物で、分かりやすく言えばイカやタコの仲間です。殻を持つアンモナイトがイカやタコの仲間と聞くと驚かれるかもしれませんが、実はイカの中には殻(甲)を持っている種類もいます。アンモナイトに似た殻を持ち、「生きた化石」と呼ばれるオウムガイも、この頭足類に含まれます。

 アンモナイトは多くの種類が巻いた殻を持っていたため、巻き貝の仲間だと誤解されがちです。どんな点が巻き貝とは違うのでしょうか。

 最大の違いは殻の内部の様子です。巻き貝の仲間は殻の入り口から奥までがつながった一つの空間になっています。サザエをつぼ焼きにして食べるとき、身の部分をうまく取り出せると、くるりと巻いた内臓を見ることができます。

 一方、アンモナイトの殻の内部には「隔壁(かくへき)」と呼ばれる仕切りが何枚もあります。海の中で生きていたアンモナイトは、仕切りで区切られた部屋の大部分をガスで満たし、浮力を得ていたと考えられています。

 梅雨の晴れ間、空っぽになったカタツムリの殻を見つけたときは、ぜひ拾ってみてください。「おまえの仕切りはどこにある?」と殻の中を観察すれば、アンモナイトとの違いがよく分かるでしょう。

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