バス停まで有償で相乗り送迎、ドライバーは地域住民
2021/07/27 05:30
高齢者らの移動手段のため、住民が運行する「あいのり1号」=三田市上青野
買い物や通院で市街地へ向かう高齢者らを、地域住民がドライバーになって送迎する取り組みが29日、兵庫県三田市広野地区北部で本格的に始まる。8人乗りのワンボックスカー「あいのり1号」を運行し、神姫バスの停留所まで送り届ける。お年寄りらはそこから路線バスに乗り、三田駅との間を往来する。市内初の取り組みで、市は「他の地域にも広げたい」とする。(土井秀人)
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市の自家用有償旅客運送事業で、広野地区まちづくり協議会に運行を委託した。運行ルートや予約方法などは住民が主体となって決め、今年1~3月に試験運行を実施。国土交通省に届け出を行い、自家用車(白ナンバー)でも有償で旅客運送が可能となった。ドライバーは68~73歳の住民5人が務めており、1回当たりの運行に市から700円が支払われる。ボランティアに頼らず有償で行うことで、持続可能な事業を目指す。
対象となるのは上青野、下青野、緑風台、北浦-の広野地区北部。約520人が住んでおり、65歳以上の高齢化率は46・5%となっている。
始点の上青野から三田駅や新三田駅に向かう路線バスは1日3便に限られている。市街地から終点の上青野に向かう路線バスも1日3便で、午後は新三田駅発のみとなり、移動手段の確保が課題となっていた。
あいのり1号は広野地区北部と、神姫バスの小野停留所を結ぶ。小野停留所から三田駅へ向かう路線バスの時間に合わせて運行し、午前3便、午後3便の計6便がある。
乗り場は4地区で20カ所に設置。高齢者にとって分かりやすく、車も停車スペースが確保しやすいよう、多くをごみステーションの近くにした。利用者は前日までの電話予約が必要で、料金は大人200円、障害者ら100円、幼児無料など。住民約520人のうち、約80人が利用登録を済ませたという。
26日には、運行開始式が上青野公民館グラウンド(同市上青野)で開かれた。出席した森哲男市長は「神姫バスとの共存が大きな目的。バスが走っている所まで送迎することで公共交通機関を守り、住民も安心して買い物などができるようにしたい」とあいさつ。
広野地区まちづくり協議会の吉田孝会長(68)は「高齢化が進む中、地域の移動手段の確保を最優先で取り組んできた。免許の返納につながり、無理して運転をするケースを減らしたい」と話していた。