有馬温泉つうしん コロナ下、創意工夫いろいろ

2021/08/29 05:30

旅館のフロアに設置されたアクリル板

 「創意工夫」という言葉がある。 関連ニュース カヤック体験や特産品…まちの魅力、観光にフル活用 地域限定の旅行会社設立 新温泉町 有馬温泉街に夏の風物詩 涼風ビアガーデン始まる 芸妓衆の演舞も 城崎の湯上り情緒に打ち上げ花火 夏は平日毎晩200発 竹野浜は3年ぶりに夜空彩る

 「創意」というのは、新しい思いつき、独創的な考えや斬新なアイデアなどのこと。「工夫」は、いろいろと考えてよい手段を見つけ出す事。合わせて、新しいアイデアなどを試行錯誤しながら、より良いものに仕上げていくことを創意工夫という。
 最近の報道を見ると、パラリンピックの選手が創意工夫し、ハンディを乗り越えて頑張っている様子が伝えられる一方、感染対策は同じことを繰り返しているように思えてならない。さすがに飲食店や観光関連事業者から不満の声が大きくなってきた。ではわれわれ事業者は何か感染対策で創意工夫しているのだろうかと振り返ってみた。
 昨年のゴールデンウイーク明けに休業要請が解除された時、知り合いの看板屋でアクリル板を手に入れ、旅館のフロントに設置した。消毒薬は手に入らない。なんとか消毒薬の原液を入手し、希釈してポンプに入れ、適時消毒してもらうようにした。ポンプ容器も当時は手に入れにくかった。そしてピストルのように温度計を突き付けられるのは嫌なので、顔を近づけると検温できる装置をいち早く導入した。
 そうすると顧客から細かいチェックが入る。「スリッパで感染するのではないか?」しかし、スリッパを使用せざるを得ない。そこで医院などで見かけるスリッパ殺菌庫を導入することにした。でも真っ白で旅館には似合わない。そこで看板屋に依頼して外側に真っ黒なシートを張り、ガラス部分にスモークフィルムを張った。意外とマッチして、殺菌灯がともるとワインセラーのようになった。浴場の脱衣場に置き、殺菌庫に収納できるスリッパの数を浴場の定員とした。
 「ソーシャルディスタンスを確保しろ」との声が聞こえ始めた。レストランのテーブルと椅子を少し撤去した。でも殺風景になってしまった。しばらくよいアイデアが浮かばなかった。ある時、規格外のテーブルをつくることを思いついた。席数を減らしても従来より多くの組数を受け入れられることに気付いた。つまり4人用のテーブルを廃止し、すべて2人用にする。必要に応じてテーブルを組み合わせばよいのだ。
 換気もよくしなければならない。冬場に足元が冷えるとクレームが寄せられる。そこでテーブルのまわりにこたつ布団を取り付けられるようにした。後は熱源をテーブルの下に仕込めばよい。しかし電気ヒーターユニットだと線が邪魔になる。そこで、若いスタッフは知らないが、豆炭こたつを取り付けた。冬が来る前に、大量の豆炭に火を付ける安全な方法を考えなければならない。
 一つの対策をすると新たな問題が起こってくる。そうするとその問題を新たな方法で解決する。創意工夫は楽しい作業だ。コロナ下の楽しみである。(有馬温泉観光協会)

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